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じょ〜い小川
2024/07/03 06:42

2024年上半期映画ベストテン

こんにちは!
新米シネマニストのじょ〜い小川です。

早いもので2024年も下半期に突入しましたが、同時に上半期が終わった。
今年は上半期に劇場公開の新作映画を119本見てきた。月20本をノルマと考えると1本未達。
まぁ、本数ではなく1本の作品を見る・考察する質を高めたい…とは思いつつも、ある程度はおさえないと。

ということで、119本の中からベスト10を作ってみたので、10位から書いてみます。

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第10位:『違う惑星の変な恋人』(木村聡志監督・脚本)

 

まずは邦画ミニシアターから木村聡志監督・脚本作品『違う惑星の変な恋人』がランクイン。男女5人の恋愛群像劇を会話と間合いのおかしさで見せる巧みな脚本や美術、ファッション、音楽などで見せた映画。かなりインパクトに残ったけど、上半期10位では年間でのベストテンは厳しいかな。

 


9位:『デューン 砂の惑星PART2』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督・脚本・製作)

(c)2023 Legendary and Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

9位には『デューン 砂の惑星』の第二弾がランクイン。前作が個人的にはもう一つだっただけに見る前の期待値が低かったが、見てみると1人になったポール・アトレイデスの復讐劇だし、途中から出て来たオースティン・バトラーが演じるハルコンネン男爵の甥フェイド=ラウサ・ハルコンネンのインパクトが強かったから、かなり盛り返したかな。


8位:『マッドマックス:フュリオサ』(ジョージ・ミラー監督・脚本・製作)

(c)2023 Warner Bros.Ent. All Rights Reserved

8位には『マッドマックス』シリーズ最新作『マッドマックス:フュリオサ』がランクイン。前作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の前日譚で、シタデルの女性大隊長になるフュリオサの物語でありながらしっかりと『マッドマックス』ワールドを見せた。クリス・ヘムズワースが演じたディメンタスもインパクト抜群だったし、流砂や砂嵐など砂漠を上手く使ったのも良かった。


7位:『コヴェナント/約束の救出』(ガイ・リッチー監督・脚本・製作)

(c)2022 STX FINANCING, LLC. ALL RIGHTS RESERVED

7位にはガイ・リッチー監督によるアフガニスタン紛争絡みの『コヴェナント/約束の救出』がランクイン。ここ最近だと『ジェントルメン』や『キャッシュトラック』が良かったか、前作の『オペレーション・フォーチュン』が今ひとつだっただけに、本作で再び評価を持ち直したかな。


6位:『インフィニティ・プール』(ブランドン・クローネンバーグ監督・脚本・製作)

(c)2022 Infinity(FFP)Movie Canada Inc., Infinity Squared KFT, Cetiri Film d.o.o. All Rights Reserved

6位にはデヴィッド・クローネンバーグ監督による息子ブランドン・クローネンバーグ監督の新作『インフィニティ・プール』がランクイン。独特なクローン生成と倫理なきバイオレンスの連続で地獄絵図を見せてくれ、いよいよ親父のデヴィッドの作風・クオリティに近づいて来たかな。


5位:『胸騒ぎ』(クリスチャン・タフドルップ監督・脚本)

(c)2021 Profile Pictures & OAK Motion Pictures

5位はデンマークの鬼才クリスチャン・タフドルップ監督作品『胸騒ぎ』がランクイン。デンマーク人家族がオランダ人家族から受けるおもてなしからの惨劇をジワジワと描き、オランダ人家族の悪意に満ちた言動はミヒャエル・ハネケ監督作品を見ているかのような感覚になった。


4位:『あんのこと』(入江悠監督・脚本)

(c)2023『あんのこと』製作委員会

4位には入江悠監督・脚本の『あんのこと』が堂々のランクイン。河合優実が演じる主人公の人生がいい方向に行くかと思いきや、時代と周囲の人たちのトラブルなどから展開された負の連鎖はカオス理論が効いていて印象深かった。この映画あたりが年間ベストテン入も堅いかな。


3位:『システム・クラッシャー』(ノラ・フィングシャイト監督・脚本)

(c)2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG(haftungsbeschrankt),ZDF

3位にはドイツ映画のこの作品。9歳の女の子が次々と繰り出すバイオレンスや問題行動はインパクト絶大で、学校→病院→施設(or里親、親元)の無限ループはまさしく無限地獄。キャスト・スタッフが無名ながら力強い作品だった。


2位:『哀れなるものたち』(ヨルゴス・ランティモス監督・脚本)

(c)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

2位は『ロブスター』や『女王陛下のお気に入り』を手掛けたヨルゴス・ランティモス監督の『哀れなるものたち』。エマ・ストーンを主演に奇天烈で性に奔放な主人公の成長譚はお見事。


1位:『ボーはおそれている』(アリ・アスター監督・脚本・製作)

(c)2023 Mommy Knows Best LLC, UAAP LLC and IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

見事、2024年の上半期1位をゲットしたのはホアキン・フェニックス主演、アリ・アスター監督作品の『ボーはおそれている』。妄想癖がある独身のオッサンの実家の里帰りが不幸・トラブルの全部盛りの地獄絵巻になっていて、ラストもお見事。このまま2024年を制する作品になるかも。

 


総評:今年は昨年アメリカ映画界で起きたWGA(全米脚本家協会)とSAG-AFTRA(全米映画俳優組合)の契約更改をめぐるストライキの影響がモロに出た形になり、アメリカ映画が1位の『ボーはおそれている』と8位の『マッドマックス:フュリオサ』、9位の『デューン 砂の惑星PART2』と3本しかランクインしなかったと見るか、3本もランクインしたと見るか。その代わり、日本映画が2本もランクインしたのは大健闘かも。

下半期はホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』やヨルゴス・ランティモス監督の新作『憐れみの3章』といった期待値が高い作品があるが、どこまで年間ベストテンに食い込むかが個人的に楽しみである。


1位:『ボーはおそれている』
2位:『哀れなるものたち』
3位:『システム・クラッシャー』
4位:『あんのこと』
5位:『胸騒ぎ』
6位:『インフィニティ・プール』
7位:『コヴェナント/約束の救出』
8位:『マッドマックス:フュリオサ』
9位:『デューン 砂の惑星PART2』
10位:『違う惑星の変な恋人』

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