今回のシャマランはアタリ!
設定が素晴らしいぞ!
シャマラン!!
監督:M.ナイト・シャマラン
主演:ジョシュ・ハートネット
時間:105分
パパは殺人鬼
ティーンエージャーの娘と行くコンサート。パパも頑張って付いて行きます!な微笑ましい風景。でも、パパの本当の顔は連続殺人鬼で、このコンサート自体が警察が犯人を捕まえるための罠、トラップだったのです。設定凄く良い。
すんごく面白そうじゃん?
ちなみにこの設定、実際にアメリカであったそう。1985年に「フラッグシップ作戦」と言って、FBIとワシントン市警が連携して、指名手配犯たちにアメリカンフットボールの無料チケットを送り、コンベンション・センターに集まった101人もの犯人を一網打尽にしたってのが、それ。
監督はあのM.ナイト・シャマラン
公開され他の方のレビューで、これがあのM・ナイト・シャマランの作品と聞いて、一気に心配になるのはあるある。もう彼の作品って博打よ。私の中で、イケるのか?イケないのか?どっちなんだい!ってきんに君が出てくるんだけど、観る時は子を見守る母のような気持ちで、ハードルは極めて低い。
クーパー(ジョシュ・ハートネット)が溺愛する娘ライリー(アリエル・ドナヒュー)と向かうは、世界的歌姫レディ・レイブン。ライリーが彼女を見る目は、もう完璧に推しに会えて昇天しそう。熱狂的って感じがとても共感出来る。しかし、それにしても随分とセキュリティが厳しい。不審に思ったクーパーは、フレンドリーなグッズ販売の店員ジェイミーから、ある秘密を聞く。それは、巷で恐れられてる「ブッチャー」と呼ばれる連続殺人鬼が、この会場に来る事を全員が知っていて、このコンサート会場でFBIが捕まえる作戦になっている、と言う。
さぁ、ライリーの推し活を見守っている場合ではありません。クーパーは今現在も、隠れ家に"獲物"を隠しているのです。必ずここから生きて、なんなら娘にも知られず無事に出なければならない。
シャマラン親子って実は凄い
さて、このコンサートが結構しっかり描かれていてガチめ。それもそのはず、レディ・レイブン役はシャマランの長女サレカ・シャマランだって言うじゃないですか!しかもそのオリジナル曲の制作/プロデュース/演奏も担っているんだから衝撃。ちなみに今年6月に、次女のイシャナ・シャマランが監督として『ザ・ウォッチャーズ』で長編映画デビューを果たしたばかり。本当凄い。シャマランと言えば、ヒッチコックばりに自分も出演するのですが、今回もちゃっかり出てます。コンサートスタッフの1人としてクーパーと話すんですが「あのレディレイブン、僕は叔父なんだよ」って、叔父どころか父親じゃんか!ってゆうね。
そんな小ネタ挟みながら、様々な情報を仕入れては、あの手この手で何とかこの逃げ場のない出口を探すクーパー。下手すると、あまりのご都合主義な展開に集中力が切れてしまうような場面も、ジョシュ・ハートネットの演技が素晴らしいので、最後までついていける。あのサイコパスな面と温かい父の面が交差して、特にラストのある人と対峙しなければならない2人きりのシーンが良かった。でもあそこ、上半身裸になる必要あった?ジョシュハートネットも、まぁまぁおじさんになったわね、なんて観ていたら年下と気付いて驚く。更には私と誕生日同じって知る、二重驚愕。最近、この年頃の俳優が私と誕生日同じなのなんなん?ねー、なんなん?(知らんがな)
展開の目まぐるしさが楽しい後半
また、コンサート会場から逃げる攻防も凄いが、そこからの展開が三転四転くらいする。とにかく広がっちゃって、途中『search』っぽいぞ?みたいにSNSが活躍したり、どんどん色々ぶち込んでくる。あとは、クーパー不死身説や、何人か居る説もあるな、絶対。
とは言え、シャマラン作品にしてはかなり面白い。合格点で良いと思います。