DISCASレビュー

k.a
2025/07/26 21:37

ル・バル

映画『ル・バル』(1983年、エットーレ・スコーラ監督、原題:Le Bal)は、フランス・イタリア・アルジェリア合作の無声ミュージカル・ドラマ。パリのダンスホール(ボウル・ルーム)を舞台に、1930年代から1983年までの約半世紀の時代変遷を、セリフなしで音楽とダンス、仕草だけで描く異色作。ジュヌヴィエーヴ・レイ・パンシュナ、マルティーヌ・ショーヴァンらが出演し、ウラジミール・コスマの音楽(「リリー・マルレーン」「イン・ザ・ムード」「トゥティ・フルッティ」など47曲)が時代を彩る。1936年の人民戦線、1940~44年のナチス占領と解放、50年代のラテンブーム、60年代のビートルズと革命の熱気を、ダンスホールの人間模様で表現。戦争中のユダヤ人ヴァイオリニストの恋や、片足を失った男のワルツが感動的。

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