京介
2025/06/02 12:00
人魚伝説
佐伯啓介は、網番に出ていて一人の釣人が殺されるのを偶然目撃した。彼は妻・みぎわにそれを打ち明けた。啓介とみぎわは、入江でアワビを採って暮らす新婚夫婦である。町の実力者である宮本輝正は、海岸一帯にレジャーランドを作って儲けようと企てていたが、その用地が密かに原子力発電所建設の候補地として上っていた。みぎわは、死体のあがらない殺人事件を気にしている夫に「私が潜って確かめたる」と船を出した。潜ったみぎわの目に写ったのは、生命綱を引くはずの夫が胸板を鈷で射抜かれて没してゆく姿であった。海面からの水中銃で腕をやられたみぎわは、生命綱が岩の角で切断されたとたん失神してしまう。断崖下の岩場に打ち上げられ命をとりとめたみぎわは、自分が夫殺しの犯人にされていることを知る。
復讐を決意した彼女は、展望塔での原発竣工パーティの只中、潜り込み片ぱしから人を刺し殺す。やってきた機動隊に包囲されれたみぎわは「いったい何人殺したら終わるんやろ」と立ちつくした。
具体的で密実切実な内容が可哀そうとか、悲しいとか、共感するなど見るものによって色々な感情を思い起こされる作品です。水中のシーンもとても奇麗で良いですよ。

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