DISCASレビュー

カッツ
2025/10/27 08:31

keiko

1979年公開の日本映画、クロード・ガニオン監督、京都に暮らす独身女性ケイコの日常を淡々と描いたドキュメンタリータッチの作品である。
外国人監督が日本の女性の日常を静かに見つめたという点でも話題となった。私がこの作品を初めて観たのは、1979年春、雨の日曜日の池袋・文芸座だった。劇場の空気とスクリーンの静けさが不思議と重なり、強く心に残っている。
当時のOLの生活が丁寧に描かれており、若い女性がどんな男性に憧れ、失恋し、異性とどう関わっていくのか——その揺れ動く感情が、静かな映像の中に滲んでいた。
やがてケイコは田舎に帰り、お見合い結婚という選択をする。役者たちは素人のような自然な演技で、まるで本物の生活を覗き見ているような感覚を覚えた。

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