カッツ
2025/12/13 14:19
アポカポリプト
本作は、白人が一切登場せず、マヤ文明の原住民のみを描いた異色の作品である。出演者の多くは現地の人々であり、素人のように見えるが、その素朴さがかえってリアリティを高めている。最初は「これで映画として成り立つのか」と半信半疑だったが、予想を裏切るほど臨場感に満ち、強く引き込まれる。
言語も英語ではなく現地の言葉が使われており、異文化の空気を肌で感じるような迫真性がある。前半では原住民たちの穏やかな暮らしが描かれ、卑猥な冗談や狩猟の場面も生々しくリアルだ。しかし突如として大部族が村を襲撃し、物語は一転して残酷な展開へと進む。捕らえられた村人たちは都会へ連行され、干ばつを鎮めるための生け贄にされようとする。首を斬る場面は目を背けたくなるほど衝撃的である。
そこから始まる主人公の脱走劇はスリリングで、観客を最後まで緊張させる。腹部に槍を受けながらも走り抜け、追手を退ける姿は圧巻だ。身重の妻が竪穴に閉じ込められ、そこに雨が降り注ぐ場面は、物語のクライマックスとして強烈な印象を残す。
そして最近耳にしたのは『アポカリプト2』完成のニュースである。真偽は定かではないが、もし本当に公開されるなら、前作を超える迫力と深みを期待したい。
コメントする