DISCASレビュー

『ポケットモンスター・ザ・ムービーXY 破壊の繭とディアンシー』（2014）は、ポケモン映画シリーズの第17作で、XYシリーズの1作目。カロス地方のダイヤモンド鉱国を舞台に、サトシたちが宝石ポケモン・ディアンシー（声：中川翔子）と出会い、生命を破壊する伝説のポケモン・イベルタル（声：小山力也）と生命を育むゼルネアス（声：伊瀬茉莉也）の力を巡る冒険に挑む。ディアンシーの故郷を守る使命と、盗賊マリリン（声：足立梨花）やニンジャ（声：山寺宏一）との絡みが描かれる。ディアンシーの気品あるキャラと、カロス地方の美しい鉱山や森のビジュアルが魅力で、イベルタルとゼルネアスのバトルは迫力満点。テーマは「生命と破壊のバランス」で、ディアンシーの成長が心温まるが、ストーリーがやや急展開で敵の動機が薄いとの声も。SCANDALの主題歌「夜明けの流星群」が爽やかで作品にマッチ。XYシリーズの鮮やかなアニメーションとアクションを楽しみたい人にぴったり。

同時上映の『ピカチュウ、これなんのカギ？』（2014）は、ピカチュウたちが不思議なカギを使ってさまざまな世界を冒険する短編。ポケモンたちのコミカルな掛け合いや、カギで開くカラフルな世界が子供向けに楽しく、ドタバタ感が本編のシリアスさを和らげる。