ゴジラの逆襲
ゴジラの逆襲
1955年 東宝 劇場公開:1955年4月24日
スタッフ 監督:小田基義 製作:田中友幸 脚本:村田武雄、日高繁明 原作:香山滋
音楽:佐藤勝 特技監督:円谷英二
キャスト 小泉博、若山セツ子、千秋実、志村喬、清水将夫、恩田清二郎、澤村宗之助、土屋嘉男、
木匠マユリ、山田巳之助、笠間雪雄、大村千吉、山本廉、大友伸、土屋詩朗、笈川武夫、
深瀬信千代、広瀬正一、吉田新、夏木順平、三田照子、手塚勝巳、中島春雄、中丸忠雄
A漁業の飛行艇の操縦士月岡は、故障で岩戸島附近に不時着した同僚小林の救援に向った。軽傷の小林を励ましていると突然ゴジラが現れて、二人に襲い掛ろうとした時、さらに巨大な怪獣が現われ両者は格闘しつゝ海中に没した。報告を受けた大阪警視総監は動物学者山根・田所両博士、防衛庁幹部と緊急会議を開いた。田所は怪獣は水爆実験で眼覚めたアンギラス、学名アンキロサウルスと推定した。アンギラスは約一億五千年前の巨竜で脳髄が数ヵ所に分散し、敏捷で兇暴な獣である。防衛隊は行動を開始したが、ゴジラは四国南岸に向い大阪は一応危機を脱した。月岡が恋人の社長令嬢秀美と踊りに行った時、ゴジラの大阪湾接近が報じられた。月岡等が照明弾を投下しゴジラを沖へ誘き出す事に成功しかけたが、脱走した囚人の起した大爆発の為にゴジラは再び大阪へ向った。その時沖からアンギラスが現われ再び格闘が始まった。

急遽制作が決定したため、撮影期間は3か月に満たなかった。田中友幸は「準備期間が短く、成功とは言い難かった」と振り返っている。主演の小泉博も、「ゴジラが当たったから会社が慌てて作った」という印象であったと述べている。原作を担当した香山滋はゴジラが人気者になるにつれて愛着を持ってきたが、それゆえに薬品で溶かしたり雪崩に埋めたりしてしまったことを夢にうなされるほど後悔したといい、今後続編は書かないと決意したとの旨を綴っていた。観客動員数は841万人を記録し、前作に続く大ヒットを収めた。これにより東宝は特撮怪獣映画路線を確立させていった。
余談ですが、前作を絶賛していた三島由紀夫は、本作品も鑑賞したことを日記にしたためている。