カッツ
2026/01/26 12:41
アラビアのロレンス
1962年公開の『アラビアのロレンス』は、1988年に完全版として再編集され、全220分の大作となった。デヴィッド・リーン監督、ピーター・オトゥール主演の名作である。
長年「いつかは通して観たい」と思いながら、実は全編を観たことがなかった本作を、今回ようやく最初から最後まで一気に鑑賞した。
物語の舞台は第二次世界大戦前、イスラエル建国以前の中東。エジプトのカイロからトルコに至る広大な地域は、当時オスマン帝国の支配下にあった。イギリスはこの地に影響力を及ぼそうとする一方、アラブの部族は多数に分かれ、互いに争い、統一とは程遠い状況にある。
ロレンスは情報収集の任務で派遣されるが、思いがけずアラブの指導者と出会い、少数の部隊を任されることになる。そして、オスマン帝国の大砲を備えた要衝を攻略してしまう。
イギリスの文学青年にすぎなかったロレンスが、いつしか英雄として祭り上げられ、イギリスとアラブの狭間で揺れ動く。その心の葛藤が丁寧に描かれている。英雄視されながらも、彼は決して超人ではなく、弱さを抱えた一人の人間であり、物語はやがて悲劇へと向かっていく。
これぞ「映画」というべき映画だと感じた。3時間を超える長編だが、腰を据えてじっくり向き合う価値がある。時間のあるときに、ゆっくりと鑑賞することを強く勧めたい。
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