「ゴジラ-1.0」大丈夫、めちゃめちゃ面白いので!
2023年11月3日(ゴジラの日)に公開された「ゴジラ−1.0」は、山崎貴監督によるゴジラシリーズ第30作。
「シン・ゴジラ」以来7年ぶりに登場する、国産実写ゴジラ最新作です。
僕は個人的に「シン・ゴジラ」が大好きで、公開時に何回も映画館に通ったのですが。
「シン・ゴジラ」が自分の中では「決定版」すぎて、「ゴジラが東京に上陸して人々を恐怖に陥れる」というプロットの映画でこれを超えるのは、もう当分無理だろうと思っていたんですよ。
また、実を言うと「山崎貴監督」の作風が正直いってかなり苦手で。
「泣かせ」が苦手で。彼のこれまでの作品はどちらかというと「好きじゃない」ものが多くて。
だから正直あまり期待していなかった…というか、だいぶ醒めたムードで観に行ったんですが。
ジャンピング土下座する勢いで、すみませんでした!と言わせてもらいます。
なにこれ、超絶傑作じゃないですか!
本当に、めちゃめちゃ面白かったです。
ネタバレにならない範囲で、「シン・ゴジラ」との比較で少しだけ魅力を語ると……
・ゴジラが怖い!
「シン・ゴジラ」も怖かった。でも、あちらは「神のような」怖さ、得体の知れない生物も超えた存在であるゴジラが、一切の感情もなく地上を焼き尽くす「宗教的な黙示録」の恐怖でした。
「エヴァンゲリオン」的な恐怖というか。「天災」「災害」に近い恐怖。
「ゴジラ-1.0」では、もう一段人間に近いスケールの、生き物として怖いゴジラが描かれています。
逃げ惑う人間に狙いをつけて、ピンポイントで捕まえに来る。殺しに来るゴジラ。
感情があって、荒々しく襲いかかってくる。人間との距離が近い、荒れ狂う猛獣としてのゴジラです。
・人間ドラマが熱い!
「シン・ゴジラ」では、未曾有の大災害としてのゴジラに対処する主に行政の人々の群像劇が描かれていました。
それはモロに東日本大震災のメタファーで、震災や原発事故に立ち向かう現場のプロフェッショナルたちを描くものになっていました。
「ゴジラ-1.0」では、舞台は終戦直後。政府はまともに機能せず、軍は解体され自衛隊もまだない。
ゴジラに立ち向かっていくのは、我々と同じ立場の民間の人々です。
ボロボロの木造船で、戦争をかろうじて生き延びたあり合わせの装備で、皆が必死で、荒ぶるゴジラに対抗していく。
怖すぎるゴジラに「政府の人」じゃなくて「我々と同じ人々」が戦いを挑む物語になっています。
神木隆之介と浜辺美波を中心とするメインの物語も真摯なもので、それがしっかりゴジラと結びついていて、映画全体にブレのない芯を通しています。
これまでの山崎貴監督作品が必ずしも得意じゃなかった人、僕みたいな人…いるだろうと思うので。
そんな人にこそ、大丈夫、面白いから!とオススメしておきたいです。