DISCASレビュー

『グッド・ウィル・ハンティング／旅立ち』では、若き日のマット・デイモンが数学の天才ウィルを演じています。アメリカでは、数学のような知的分野で優れた人を素直に尊敬し、応援する空気がありますが、日本ではスポーツの才能が称賛される一方で、数学が得意な人はヒーローになりにくく、時に疎まれる存在になってしまう。そんな文化の違いを考えさせられる作品でもあります。

物語は、マサチューセッツ工科大学で清掃員として働くウィルが、掲示板に貼られた超難問の数学問題を解いてしまうところから始まります。彼の才能に気づいた教授ランボーは、ウィルを教育し、自立させようと尽力します。ウィルの荒っぽい仲間たちも、彼の可能性を信じて応援してくれる。そうした人々との関わりの中で、ウィルは少しずつ自分の人生と向き合い、成長していきます。

知性と感情が絶妙に絡み合ったストーリーで、観ていて本当に気持ちの良い映画です。人の可能性を信じることの大切さを、静かに力強く教えてくれる作品だと思います。