DISCASレビュー

カッツ
2025/10/26 08:18

スワロウテイル

日本円が世界で最も強かった時代を背景に、外国人たちが「円」を求めて集まる架空の街・円タウンを舞台にした異色の作品である。そこは日本でありながら日本ではない、無国籍で混沌とした空間が広がっている。
物語は荒唐無稽で、ストーリーの展開も予測がつかず、まるで『マッドマックス』のような退廃的でエネルギッシュな世界を思わせる。だがその混沌の中に、音楽、言語、アイデンティティが交錯する独特の美しさがある。
主演は三上博史とCHARA。CHARAはこの作品で女優としても鮮烈な印象を残しており、彼女の存在感が物語に不思議な柔らかさを与えている。脇を固めるのは、大塚寧々、江口洋介、桃井かおり、山口智子など、個性豊かな俳優陣。彼らの演技が、混沌とした世界にリアリティと深みをもたらしている。
一見突飛な設定ながら、経済、移民、言語といったテーマが根底に流れており、観る者に多くの問いを投げかける作品だった。

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1 件の返信 (新着順)

山口智子がめっちゃ男前でしたね、異国風な江口洋介も魅力的♪
三上博史に泣きました、大好きな映画です。