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私の好きな映画

Hiroki Yamaguchi
2025/04/25 18:46

【先読みできない計略の応酬】映画館でしか味わえない本当の魅力『パリピ孔明』

(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

終わった瞬間にイヤホンをつけ、体感したセットリストをそのまま聴き直し、余韻に浸りたくなるほど引き込まれた本作。漫画からスタートし、ドラマでも最終話でSNSトレンド1位を獲得した『パリピ孔明』が映画化。映画化したことで本作の魅力を格段に上げたことは間違いなく、その魅力と理由についても深く追求する。


目次

1.   応援上映希望のライブエンターテイメント
2.   “笑いと驚き”は隠れキャラと孔明の行動
3.   映画化してこそ発揮した本領


■概要
「ヤングマガジン」連載中、累計発行部数240万部突破のメガヒットを続ける大人気漫画「パリピ孔明」(講談社)。2023年秋ドラマで実写化されるやキャラクターの濃さや本格的な楽曲とライブシーンが話題を呼び、最終話ではSNSトレンド1位を獲得するなど大きな反響を得た本作がスケールアップしてスクリーンに帰ってくる。

物語の舞台は、日本を代表する3大音楽レーベルが頂点を競う、史上最大の音楽バトルフェス。総勢50名以上のミュージシャン&ダンサーが大集結し、6000人以上の観客を動員した本格的なライブシーンは、本作一番の見どころとなっている。ドラマで数々の華麗な計略を見せた孔明(向井理)、透明感ある歌声を披露したシンガー英子(上白石萌歌)をはじめ、三国志愛溢れるBBラウンジのオーナー小林(森山未來)、孔明の主君・劉備(ディーン・フジオカ)等、レギュラーキャストが再集結。そして新たな最強の敵として、司馬潤(神尾楓珠)と妹でシンガーのshin(詩羽)が登場する。さらに多彩なアーティストも多数、参加!1秒たりとも見逃せない圧巻の映像と、18曲に及ぶ珠玉の音楽により、この春、映画館がフェス会場となる──!

■あらすじ
三国時代の天才軍師・諸葛孔明がなぜか現代の渋谷に転生。アマチュアシンガー月見英子の歌声に心奪われた孔明は、英子の軍師となり音楽の力で天下泰平を目指す。そんな中、日本を代表する3大音楽レーベル、KEY TIME、SSSミュージック、V-EXが頂点を競う、
史上最大の音楽バトルフェス<MUSIC BATTLE AWARDS 2025>の開催が決定。各レーベルから多彩な強者アーティストが集結する中、孔明と英子も参戦することに。そこには、三国時代の宿敵・司馬懿の末裔である司馬潤&shin兄妹も参戦。孔明と英子の前に立ちはだかる。果たして、ふたりの運命は?1800年前の因縁再び、天才と天才が知略と音楽で火花を散らす──!!


1.   応援上映希望のライブエンターテイメント


(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

先に言っておくと、「ドラマ未見」などの不安は不要だ。勿論、ドラマの登場人物の相関図を理解しておくと120%堪能できるが、映画から観た人でもしっかり入り込める構成となっている。いや、映画から入った人はむしろドラマや漫画から見返したくなると言っても過言ではない。本作で流れる音楽が初めて聴く曲だとしても、物語に沿ったメロディと劇中に何度も流れるフレーズを聴けば、フィナーレには口ずさんでいるだろう。

(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

予告でもある通り、信じられないような有名アーティストも多数登場する。沢山のアーティストが出る時点で「歌っても1サビぐらい」だと容易に想像できるが、そうじゃないのが魅力の1つ。映画といいつつ、しっかり最後まで歌い切るため、作品に対する曲の占める割合はライブと相違ない程のボリュームだ。それがスタンディングではなく、フカフカの映画館のシートかつ最高のサウンドで聴ける本作は、もはや映画の枠を超えたライブエンターテイメントと言える。


2.   笑いと驚きは隠れキャラと孔明の行動


(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

会場でも湧き起こる笑いと驚きはここにあり。あくまでここで言う隠れキャラは"アーティストを除く"サプライズゲストを指す。劇場で笑いと驚きを体験して欲しい為、多くは語れないが「音楽レーベル関係者」「イベントの審査員」などあらゆる所にチラ見せサプライズゲストが登場するので、お楽しみに。もはやどういう理由でキャスティングしたのかを問いたくなる著名人も登場するため、作品の隅々までチェックすべし。

(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

そして、欠かせないのが孔明の大胆な行動。EIKOの軍師ポジションであるはずの孔明がEIKOよりもメディア露出し、活動的になっていく様が何とも笑えるところだ。鑑賞しているユーザーに対して“身近に感じる”シーンに孔明が顔を出すため、親しみやすささえ覚えるほど。映画を観終わった後は「どんな孔明が見てみたいか」などと語り合うのも楽しいかもしれない。


3.   映画化してこそ発揮した本領


(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

 ドラマでは発揮できなかった所が、映画館だからこそ発揮できたのが「音楽の一体感」。テレビの枠ではその魅力を伝えきれなかったが、最高の音響設備と密閉された空間、いわば"映画館"で存分に伝えられたと言える。ライブはその場で曲を聴いて、一緒に歌う魅力もあるが、映画と音楽を掛け合わせると、そこに"物語“と”計略“の要素をが追加されると、更なる破壊力を魅せる。

(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

最後のシーンは"物語"があったからこそ、実現できた最高にパワフルな演出で鳥肌が奮い立つ瞬間だ。計略や伏線を暴く気持ちで鑑賞したとしても、それを上回る孔明と司馬潤の仕掛けにまんまと嵌ってほしい。歴史的な背景や計略、人物の特徴を深めつつ、ライブエンターテイメントと掛け合わさった本作の物語は、劇場で観てこそ「天下泰平」だ。

(c)四葉夕ト・小川亮/講談社 (c)2025 フジテレビジョン 松竹 講談社 FNS27社

■クレジット

監督:渋江修平
原作:四葉タト
原作(漫画):小川亮
脚本:根本ノンジ
製作:矢延隆生 髙𣘺敏弘 角田真敏
製作統括:臼井裕詞
プロデューサー:髙木由佳:八尾香澄
アソシエイトプロデューサー:松田佳奈
ラインプロデューサー:梶川信幸
音楽プロデューサー:齋見泰正
音楽ディレクター:横倉昌秀
撮影:新出一真
照明:小林仁
録音:矢野正人
美術:棈木陽次
装飾:竹原丈二
編集:臼杵恵理
スタイリスト:Babymix
ヘアメイク:中村了太
テクニカルスーパーバイザー:佐藤英樹
VFXプロデューサー:羽原直栄
音響効果:荒川きよし
音楽:近谷直之
主題歌:EIKO shin 幾田りら
助監督:足立博
スクリプター:丹羽春乃
制作担当:木村利明

 

諸葛孔明:向井理
月見英子:上白石萌歌
小林:森山未來
劉備:ディーン・フジオカ
司馬潤:神尾楓珠
Shin:詩羽

 

公式サイト:
https://movies.shochiku.co.jp/paripikoumei-movie/