シン・仮面ライダーと石ノ森章太郎漫画版、エヴァとの関係!
みなさん、「シン・仮面ライダー」観ましたか?
映画を観て楽しんで、このオリジンをもっと知りたい!と思うけど、オリジナルテレビシリーズは膨大な量があるしちょっとしんどい…ということも、あるんじゃないでしょうか。
そういう場合は、まずは石ノ森章太郎の漫画版「仮面ライダー」を読んでみるのはどうでしょう。映画にあったアレコレの元ネタが分かったり、いろいろな発見がありますよ。
庵野秀明監督は「シン・仮面ライダー」を作るにあたって、この漫画版から多くの設定を引用しています。オリジナルのテレビシリーズの再現を第一にしつつ、ディテールの足りない部分を漫画版で補っているという印象です。
例えば、変身して強化した状態にある本郷猛の顔が、異様なものになるという設定。
「仮面」が強化だけでなく、それを隠すものであるという設定も、漫画版からのものです。
他にも、敵の正体、2号ライダーの導入の仕方など、様々なところで漫画版の設定からの引用があります。
細かいことはネタバレになるので書きませんが、映画の前後に漫画を読むと、いろいろ発見できて楽しいんじゃないでしょうか!
テレビ版では初期の特色で、石ノ森章太郎版の持ち味と言えるのが、「意に沿わず改造され、人間ではないものにされてしまった主人公の悲哀、苦悩」ですね。
「仮面ライダー」以前の石ノ森章太郎の作品「サイボーグ009」が既にこの設定なので、これはまさに石ノ森章太郎イズムと言えるところだと思います。
少年向けヒーローものだけど、主人公が暗い運命を背負っていて、苦悩の中で戦っていく。
人間離れしたパワーを持つために、愛する人を抱きしめることもできない。なので、孤独に一人戦うしかない。そんなカッコ良さ。
そこが庵野監督はじめ多くの人を熱狂させたところだし、今回の「シン・仮面ライダー」でも追求されているところですね。
ところで、この石ノ森章太郎イズムで、思わぬつながりが見えてきた…と思ったのが、庵野秀明監督の前作「シン・エヴァンゲリオン」です。
あの世界で、永遠の14歳として年を取らず、食べたり眠ったりする必要もなく、何か人間以外のものにされてしまって、自らをそんなふうにしたネルフに対して悲壮感を持って戦い続ける子供たち…特にアスカの姿。
これ、まさに「改造人間の苦悩」ですね。
「シン・仮面ライダー」の本郷猛が「食べる必要がない」というシーンで、アスカのことを思い出しました。
この辺り、いかに庵野監督が強い影響を受けていて、自身の作品作りにも反映しているか…というところですね。
映画をきっかけに、本とか、別の映画とか、どんどん世界が広がっていく…
といくことがあるのも、映画のいいところだと思います。