村松健太郎
2024/07/03 14:43
英雄譚ではない、初老の男の苦悩の物語『フェラーリ』
マイケル・マン監督作品としては随分久しぶりになりました。
自他ともに認めるフェラーリマニアのマイケル・マン監督念願の企画とのことです。
主演はカメレオン俳優アダム・ドライバー。
今回はかなりの老けメイクをして主人公のエンツォ・フェラーリに挑んでいます。
今回もマイケル・マン監督らしく、独特のリアリティと渇いたドライなタッチで物語は進みます。劇中のエンツォ・フェラーリは決して英雄などではなく公私に渡って問題を抱えた初老の男です。
クリスチャン・ベールやヒュー・ジャックマンというキャスティング案もあったそうですが、年齢的には合致しますが、彼らでは”華”を抑えきれなかったでしょう。
そう意味で、アダム・ドライバーというのはいいアイデアでした。
実際に起きた事故をそのまま描写しただけですがクライマックスの切り株描写はちょっとギョっとします。
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