DISCASレビュー

映画『あの歌を憶えている』（2024年、フランソワ・ウザン監督、アナタール・コリネ主演、原題：Les chansons qu'on n'oublie pas）は、フランスのヒューマンドラマ。アルツハイマー病を患うエレーヌが、かつての恋人ジャンとの思い出を、60年代のシャンソンやポップスを通じて断片的に思い出す物語。エレーヌが介護施設で暮らす中、若い介護士ソフィーが彼女の日記を見つけ、ジャンの消息を追う。アナタール・コリネの繊細な演技と、シャルル・アズナヴールやフランソワーズ・アルディの名曲が情感を高める。過去と現在の交錯、記憶の曖昧さが切なく、愛と喪失のテーマが心に響く。