ストーリー

「美しき冒険旅行」（原題：Walkabout、1971年）のサウンドトラックは、ニコラス・ローグ監督のイギリス・オーストラリア合作映画を彩るジョン・バリーによるスコアが特徴。ジェニー・アガターとリュシアン・ジョン演じる白人姉弟と、デヴィッド・ガルピリル演じるアボリジニ少年のオーストラリアの荒野での交流を描く物語を、バリーの音楽が詩的かつ神秘的に演出。「Main Title」は、弦楽とフルートによるメロウな旋律で広大な自然と文明の対比を表現し、「The Deserted Homestead」や「Back to Nature」は、原住民の文化と姉弟の試練を穏やかながらも緊張感ある音で強調。アボリジニの伝統音楽や自然音も効果的に使用され、映画の幻想的な雰囲気を強化。全体として、映画の文明批評と自然の美しさを音で体現した名盤だが、単体では映画の文脈にやや依存する印象も。カルト映画やバリーのファンに最適。