映画『ヒート』~運命に導かれた2人の男が迎える対決の瞬間! 高鳴る銃撃のシンフォニー!~
概要
仕事に取り憑かれて家庭を顧みないひとりの刑事と犯罪組織の一員でありながらも孤独に身を置く男が運命に導かれて迎える対決の時を描き出す迫力のクライム・アクション大作。
2大オスカー俳優アル・パチーノとロバート・デ・ニーロによる火花散る演技合戦と12分間に及ぶロサンゼルス市街で繰り広げられる銃撃戦が圧巻。パチーノとデ・ニーロと同じオスカー俳優ジョン・ヴォイト、ヴァル・キルマー、初々しい演技を見せるナタリー・ポートマンも出演。監督は『インサイダー』、『フェラーリ』、『コラテラル』など深い人物描写を得意とするマイケル・マンが務めた。

あらすじ
アメリカの大都市ロサンゼルスで白昼堂々と現金輸送車が襲われ、多額の無記名証券が強奪された。完璧かつ鮮やかな手口で無記名証券を強奪したのはニール・マッコーリー率いる犯罪組織だった。
ロサンゼルス市警察のヴィンセント・ハナは現金輸送車が襲撃された現場で捜査を開始し、残されたわずかな手掛かりからマッコーリーに近付いていく。
仕事に取り憑かれて家庭を顧みないハナと犯罪組織の一員でありながらも孤独に身を置くマッコーリーは運命に導かれて出会い、やがて対決の時を迎えるのだった。
映画評
映画『ゴッドファーザーPARTⅡ』に出演しながらもスクリーン上で共演することがなかった2人のオスカー俳優アル・パチーノとロバート・デ・ニーロがついに共演し、火花散る演技を見せる映画が『ヒート』である。仕事に取り憑かれて家庭を顧みない警部補ヴィンセント・ハナをアル・パチーノ、犯罪組織の一員でありながらも孤独に身を置くニール・マッコーリーをロバート・デ・ニーロが演じている。2大オスカー俳優が共演する映画であり、オープニングからエンディングまで張り詰めた緊張感に包まれている。現金輸送車の襲撃シーンに始まり、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが見せる卓越した演技、そしてダイナーのテーブルを挟んだ会話のシーンと瞬く間に映画の中に引き込まれていく。テーブルの挟んで向かい合うパチーノとデ・ニーロの間に静かな緊張感がみなぎっている。デ・ニーロをまっすぐ見つめるパチーノに対して、デ・ニーロもパチーノを見つめている。向かい合って座るだけでピンと張り詰めた空気を生み出してしまう。互いに譲れない信念を感じさせる会話に思わず聞き入ってしまう。
この映画の名シーンといえば12分間に及ぶロサンゼルス市街地での銃撃シーンである。本物の銃撃音を録音したものを使用していることに驚くが、このシーンの撮影のためにオフィス街を週末に丸ごと借り切ったということにも驚く。

トリビア
アル・パチーノは映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でアカデミー主演男優賞を受賞した。
ロバート・デ・ニーロは映画『ゴッドファーザーPARTⅡ』でアカデミー助演男優賞、映画『レイジング・ブル』でアカデミー主演男優賞を受賞した。
ナタリー・ポートマンは映画『ブラック・スワン』でアカデミー主演女優賞を受賞した。
ジョン・ヴォイトは映画『帰郷』でアカデミー主演男優賞を受賞した。
アル・パチーノとロバート・デ・デニーロがダイナーのテーブルを挟んで向かい合うシーンがあるが、このシーンはリハーサルなしで撮影された。ちなみにパチーノとデ・ニーロの演技は全て即興の演技である。このシーンはパチーノとデ・ニーロを交互に映しているので実際は共演していないという噂が出て、2人が不仲であるという説まで出てしまったが、実際に共演している。
12分間の銃撃シーンを撮影するためにロサンゼルスのオフィス街の大通りを丸ごと週末に借り切った。銃撃音は本物の銃撃音を録音したものである。
現場検証を行う警察官や病院で働く看護師は役者が演じているのではなく全て本物である。また、映画の冒頭で現金輸送車の襲撃を目撃するホームレスも本物である。
ロバート・デ・ニーロ演じる犯罪者はニール・マッコーリーという実在の犯罪者がモデルとなっている。また、アル・パチーノが演じる刑事ヴィンセント・ハナはシカゴ市警察に勤務したチャック・アダムソンがモデルとなっている。
ダイアン・ヴェノーラは映画『ジャッカル』でオスカー俳優シドニー・ポワチエと共演した。また、リチャード・ギア、ブルース・ウィリスとも共演した。
ハンク・アザリアの元妻は映画『恋愛小説家』でアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ハントである。
ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ヴァル・キルマーら映画の出演者は3か月に及ぶ射撃訓練を受けた。パチーノは警察官の銃撃方法、デ・ニーロ、キルマーらは犯罪者の銃撃方法を習得した。
映画『ヒート』は1989年にアメリカ国内で放送されたテレビ映画『メイド・イン・L.A.』をマイケル・マン自ら劇場用映画としてリメイクした作品である。
映画『ヒート』日本劇場公開予告編