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Yuji Abe
2025/11/17 19:56

『君の顔では泣けない』- “入れ替わったまま、結婚”する。あまりにも切ない15年間の物語。

『転校生』や『君の名は。』のような、一時的な「入れ替わり」を想像して、私はこの映画を観始めました。 しかし、本作が描いていたのは、そんな青春の一コマではありません。もし、入れ替わったまま、15年という長い人生のイベントをこなしていかなければならないとしたら…?

これは、二人の人生の過程そのものが想いをクロスさせる、想像を「良い意味で」裏切られた、あまりにも切なく、美しい物語でした。

 

あらすじは、高校時代、プールに落ちたことがきっかけで、体が入れ替わってしまった男女二人。しかし、彼らは元に戻れないまま時を過ごす。本作は、二人が15年という歳月をかけて、お互いを助け合い、励まし合いながら、自らの「人生」を生きていく物語。

 

入れ替わったままの「結婚」。胸が苦しくなるほどの切なさ

 

この映画で、私が最も胸を締め付けられたのは、二人が入れ替わった体で「結婚」や「出産」といった人生最大のイベントを迎えるシーンです。 彼らは一体、どんな気持ちでその日を迎えたのだろう。そう想像するだけで、苦しいほど切ない思いが込み上げてきました。青春ど真ん中で起きたとてつもない異変を、二人の知恵と絆だけで乗り越えていく姿は、本当に素敵でした。

 

人生の転機を「他人の体」で生きるということ

 

高校卒業、進学、初恋、就職、そして親との別れ…。 私たちが経験する人生の転機(イベント)のすべてを、彼らは「他人の体」で経験していきます。その一つ一つで揺れ動く繊細な感情が丁寧に描かれており、観客は否応なく彼らの人生に引き込まれていきます。

 

「何気ない日常」への気づき

 

私たちが何気なく過ごしている日常。それは、彼らにとっては決して「当たり前」ではない。 この映画は、そんな違った角度からの「気づき」を与えてくれ、自分の人生がいかに尊いものであるかを再認識させてくれました。

 

自分の人生と“同調”する、懐かしくも切ない物語

 

これは、自分の人生で起きた様々なイベントを思い出し、主人公たちと気持ちを「同調」させたい人に、心からおすすめしたい映画です。懐かしさと切なさ、そして今を生きる大切さを感じさせてくれる、素晴らしい作品でした。

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