DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2025/08/18 17:26

新幹線大爆破(1975)

新幹線大爆破(1975)

 1975年 東映 劇場公開:1975年7月5日

スタッフ 監督:佐藤純弥 脚本:小野竜之助、佐藤純弥 原案:加藤阿礼 音楽:青山八郎

キャスト 高倉健、千葉真一、宇津井健、山本圭、織田あきら、田中邦衛、郷えい治、宇津宮雅代、

     竜雷太、川地民夫、藤田弓子、藤浩子、松平純子、多岐川裕美、志穂美悦子、青木義朗、

     千葉治郎、原田清人、松野健一、久富惟晴、中井啓輔、風見章子、十勝花子、林ゆたか、

     矢野宣、近藤宏、田坂都、横山あきお、岩城滉一、小林稔侍、田中浩、志村喬、山本清、

     田島義文、福田豊土、山内明、渡辺文雄、永井智雄、鈴木瑞穂、北大路欣也、丹波哲郎、

     ほか

爆弾を仕掛けられたまま発車した新幹線を舞台に、犯人グループと捜査陣の攻防をスリリングに描いた名作サスペンス映画。午前9時48分、乗客約1500人を乗せた東京発博多行きの「ひかり109号」が発車した。しばらくすると国鉄本社公安本部に、109号に爆弾を仕掛けたという電話が入る。爆弾は新幹線が時速80キロ以下に減速されると自動的に爆発するという。犯人は工場の元経営者・沖田哲男と工員の大城浩、そして元過激派の古賀勝で、国鉄本社に500万ドルを要求。運転指令長の倉持は運転士の青木に事件発生を知らせるとともに、警察庁の須永刑事部長や公安本部長の宮下を招集して緊急対策本部を設置する。息の詰まる駆け引きが繰り広げられるなか、巧妙な手口を駆使する沖田はついに500万ドルを手にする。一方、恐怖で極限状態に陥った人々を乗せた109号は広島駅を通過する。 

東京撮影所企画部のプロデューサーの1人坂上順は、「何か問題があれば必ず止まる“安全神話”を誇る新幹線が、もし止まらなくなったら?」という企画を提出した「『日本にしかない題材の新幹線を選び、それを乗っ取る・爆発させる』というストーリーは日本だけでしか出来ず、外国に持っていっても遜色ないものが出来る」として製作は進められた。当時はまだ全共闘運動の残党が過激化し、連続企業爆破事件が発生していた時期で、警察関係者は神経をとがらせていた。社会的に話題になった事件はどんどん映画化していくという方針で、企業爆破事件や三億円事件の時効を想定した映画まで製作を始め、警察当局も「東映は好ましくない映画ばかり企画する」と渋い顔をしていたといわれる。余談ですが、日本以上に海外で高く評価されたことも話題となり、1994年公開のアメリカ映画『スピード』の設定のモチーフにもなった作品です。

コメントする