キャロル・ベイカー主演の『課外授業』は、イタリア映画らしい官能的な雰囲気をまとったエロティック・コメディである。美しい中年の女性音楽教師が、ある秘密を握った男子生徒に脅され、彼の言いなりになっていく展開は、どこかマゾヒスティックでありながらも、ユーモラスな味わいもある。
いわゆる“筆おろし”をテーマにした作品で、性的な緊張感と滑稽さが絶妙に交錯している。高校生の頃にこの映画を観たときは、かなりドキドキした記憶があるが、今改めて観ると、どこか微笑ましく、時代の空気を感じさせる“かわいらしさ”すら漂っている。