ガメラ対宇宙怪獣バイラス
ガメラ対宇宙怪獣バイラス
1968年 大映 劇場公開:1968年3月20日
スタッフ 監督:湯浅憲明 脚本:高橋二三 製作:永田秀雅 企画:藤田昌一、仲野和正
キャスト 本郷功次郎、高塚徹、カール・クレイク、八重垣路子、渥美マリ、八代順子 ほか
宇宙空間を猛烈なスピードで地球に接近する謎の宇宙船があった。この宇宙船は地球を占領する命を受けていた。折しもジェット噴射で飛行中のガメラは、火焔を放って地球の危機を救った。その頃、茅ケ崎海岸ではボーイスカウトのキャンプがはられていた。世界各国から参加した少年少女たちが、リーダーの島田伸彦や国際海洋研究所所長ドビー博士の指導で海底調査用小型潜水艇の運転訓練を受けていた。いたずらコンビの正夫とジムは潜行中にガメラに出会った。大喜びの二少年はガメラと遊び興じているうちに突然オレンジ色の光のドームに包まれてしまった。第一号機の復讐に現われた宇宙船が発射したスーパーキャッチ光線に捕えられてしまったのである。ガメラは必死に抵抗し、二少年の潜水艇を脱出させた。だが、その間に宇宙船の高度なメカニズムはガメラの弱点を調べあげていた。子供に対しては異常なまでに好意を示すガメラの性質。これを探知した宇宙船は、再び二人を人質にしてしまった。危険にさらされる二人を見ては身動きも出来ず、ガメラは脳波コントロール器を打込まれてしまった。

今作は大映本社の深刻な営業不振から、本作品の予算は一般映画クラス(前作の3分の1)となった。湯浅監督は「半分は意地、半分はゲーム感覚でやった」と語っていて、クランク・アップ時は「やっと終わった」と感慨無量の思いだったという。しかし、公開されるや本作品は子供たちに大評判となり、大ヒット。大映本社は翌年、次作の制作を決定することとなった。また、前作などの大映作品が、政府による日本映画界の救済のための「社団法人・映画輸出振興協会」の融資を受けており、海外のバイヤーの影響により、昭和のガメラシリーズは本作から外国人のキャストの起用とより子供向けという方針に向かっていくことになった。