DISCASレビュー

カッツ
2025/12/23 08:35

アトリエの春、昼下がりの裸婦

2014年/韓国

1960年代の韓国の美しい田舎町を舞台に、難病を抱える彫刻家とその妻、そしてモデルの女性が織りなす繊細な人間ドラマを描いた作品である。静謐なアトリエで交わされる彫刻家と裸婦モデルのやり取りは、どこか幻想的で、芸術そのものの純度を感じさせる美しいシーンが続く。

本作はネット配信で一度鑑賞し、その印象が忘れられず、改めてDVDで観直した。しかし残念だったのは、ネット版では自然な映像だったのに対し、DVDでは一部にぼかしが入っており、せっかくの美しい画面が損なわれてしまった点である。今の時代でも、作品によってはこうした処理が施されることに驚かされる。

それでも、アトリエに差し込む光や、彫刻家のまなざし、モデルの静かな佇まいなど、芸術と人間の関係を丁寧に描いた本作の魅力は揺るがない。静かでありながら深い余韻を残す、心に沁みる映画である。

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