映画『マイノリティ・リポート』～そこは未来の...

映画『マイノリティ・リポート』～そこは未来の殺人事件が予知されて裁かれる世界～

概要

SF作家フィリップ・K・ディックによる短編小説「少数報告」を原作に、ハリウッドのヒットメーカーにしてアカデミー監督賞と作品賞のオスカーを持つスティーヴン・スピルバーグが映画化したSFサスペンス・アクション。

犯罪予知が可能となった未来世界を舞台に、未来の殺人を予知されたひとりの刑事が自らの無実を証明するために決死の逃亡劇を繰り広げていく。

主人公の刑事を映画『トップガン』、『7月4日に生まれて』、『デイズ・オブ・サンダー』などで知られるハリウッドのトップ俳優トム・クルーズが熱演し、自らアクションにも挑んでいる。

映画『フォーンブース』で知られるコリン・ファレル、『シャッターアイランド』で知られるマックス・フォン・シドーが脇を固めている。

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あらすじ

西暦2054年、アメリカの首都ワシントンD.C.

激増する凶悪犯罪に対処するために政府は犯罪予知システムを導入した。これはアガサ、ダシール、アーサーという名の3人の予知能力者に犯罪を予知させ、未然に凶悪な犯罪を防止するためのシステムであった。

犯罪予防局に務める刑事ジョン・アンダートンは6年に前に最愛の独り息子ショーンを亡くして以来仕事にのめり込んでいた。

ジョンは妻とその浮気相手を殺害しようとした男ハワード・マークスを未来の殺人容疑で逮捕したが、家に帰れば亡くなった息子ショーンと別居中の妻ララの立体映像と薬物でさびしさを紛らわせていた。

ある日、ジョンは36時間以内にリオ・クロウという見ず知らずの男を殺すことを予知されてしまう。

これは誰かの陰謀なのか？　犯罪予知システムに懐疑的な司法省の役人ダニー・ウィットワーによる策略なのか？

自身の無実を証明するためにジョンはかつての仲間とウィットワーの執拗な追跡をかわしながら決死の逃亡を続けていくが・・・

映画評

ハリウッドを代表するヒットメーカーであり映画『シンドラーのリスト』でアカデミー作品賞と監督賞、映画『プライベート・ライアン』では自身2度目のアカデミー監督賞を受賞したスティーヴン・スピルバーグ。映画『トップガン』で人気俳優となり、社会派オリヴァー・ストーン監督の映画『7月4日に生まれて』でアカデミー主演男優賞にノミネートされて演技派俳優へと脱皮したトム・クルーズ。共にハリウッドで目覚ましい活躍を続けるスピルバーグとクルーズによる夢のタッグが実現した映画が『マイノリティ・リポート』である。SF、アクション、サスペンス、ミステリーにユーモアが融合した一度で二度、三度も楽しめる作品になっている。

この映画の魅力はまずトム・クルーズによる体を張ったアクションである。刑事から一転して未来の殺人事件の容疑者となったクルーズ演じる刑事が決死の逃避行を続ける中で見せるアクションに目が釘付けとなってしまう。ジェットパックを背負った警官との追跡劇、自動車工場ではコリン・ファレルとの殴り合いを見せている。

予知された未来が刻一刻と現実になっていく展開は何度観ても飽きることはない。

トリビア

スティーヴン・スピルバーグは映画『シンドラーのリスト』でアカデミー作品賞と監督賞を受賞し、映画『プライベート・ライアン』では自身2度目のアカデミー監督賞を受賞した。

予知能力者の名前は作家アガサ・クリスティー、アーサー・コナン・ドイル、ダシール・ハメットから採られている。

原作に登場する刑事ジョン・アンダートンはお腹が出ていて髪が薄い人物である。

映画監督キャメロン・クロウと女優キャメロン・ディアスがワンシーンだけ出演している。

撮影を担当したヤヌス・カミンスキーは映画『シンドラーのリストと『プライベート・ライアン』でアカデミー撮影賞を受賞した。

闇医者がアパートのテレビで観ている映画のタイトルは『東京暗黒街・竹の家』であり、勘違いされた日本が舞台となっている。

トム・クルーズとコリン・ファレルは同じ身長に見えるが、実際はトム・クルーズが170センチ、コリン・ファレルは178センチである。

映画『ティファニーで朝食を』の主題歌「ムーン・リバー」が使用されているシーンがある。

トム・クルーズはあらゆるアクションをこなす俳優として知られているが、スティーヴン・スピルバーグ監督はトム・クルーズに対して「君がやるべきアクションは私が決める」、と言い聞かせたという。