恋愛に程遠い中年独身男性が選んだ2000年以降のオススメ恋愛映画9選
どうも、
「キン肉マン」で言えばジェロニモ・ヤングマクダニエルのポジションの新米シネマニストのじょ〜い小川です。
新米なものですから、実は過去のお題をやっていなくて、その中で今回は「おすすめ恋愛映画」というのがあったんでチョイスしました。
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アイコンとか自己紹介投稿とかベストテン投稿の傾向を見ればおわかりの通り、筆者は車寅次郎にも負けず劣らずの恋愛弱者の中年独身男性。ホラー映画ならまだしも、
「えっ、恋愛映画とか見るんスか?」
と突っ込みたくなるだろうけど、意外にも恋愛映画も嫌いではない。なぜなら、普段恋愛とかしてないから恋愛の雰囲気を味わえてしまうのが恋愛映画だったりするからだし、古今東西、恋愛映画の名作はやっぱり面白いんですよ。
ということで、かなり独特な視点になるのと、あと、昔のも入れたかったが、それこそ『男はつらいよ』シリーズだらけになりかねないので、2000年以降にしました。尚、ランキング形式に非ず。
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1.『好きと言えるまでの恋愛猶予』
いきなり多くの方が「?」となるチョイスだけど、日本では2004年7月末に公開したフランス映画で、監督は結局この作品しか作ってないし、主演のジャック・ペランの息子のマチュー・シモネ、ヒロインがヴァンサン・カッセルの異母妹のセシル・カッセルだから、映画をチョイスするのにキャストやスタッフじゃなんの引っ掛かりもないけど、クリームとかザ・イージー・ビーツやゼムがかかる予告編を見て、当時この映画を5,6回見ているんですよ。
ストーリーは1965年のパリを舞台に、高校生の野郎二人が友人の誕生日パーティーに遊びに行ったら主人公のフィリップがそこで出会ったシャルロットに一目惚れをするんだけど、お互いに不器用過ぎて恋に進展しない、といういわゆるボーイミーツガールの青春恋愛もの。誕生日パーティーとは書いたけどほぼほぼクラブイベントに近い感じだから、当時毎週クラブで遊んでいた筆者にはめちゃくちゃ身近な話で、これをきっかけに恋愛映画が好きになれたかな。
この映画を見る一番のきっかけはストーリー云々じゃなくて劇中にかかる音楽で、上記以外にもアレサ・フランクリンやオーティス・レディングなど60年代のロックやR&Bがたっぷりかかる映画で、冒頭からイージービーツの「Friday on my mind」がかかる。そこから60年代の世界に引き込まれるし、作中でヒロインのシャルロットが好きなエッシャー・フィリップスの「Try me」というR&Bの曲がまためちゃくちゃいいので60年代の音楽映画としてもかなり語れる映画だったりする。
さらにこの映画、プラトニックなボーイミーツガールの恋愛にパイセン格の女性が主人公に手ほどきをするシーンがあるんだけどこれがかなり生々しく、ここだけ見ると「にっかつロマンポルノ」っぽくもある。その上、当時のフランスのアルジェリア事情も少し入ったり、時代背景も忘れてはいない。
2.『婚前特急』
続いては日本映画から前田弘二監督の商業デビュー作の『婚前特急』。この映画、何が凄いって吉高由里子が演じる主人公・チエだけど、なんと同時に5人の男と付き合う五股恋愛の話で、その相手5人のディテール、格が事細かで面白い。
チエを演じる吉高由里子のコメディエンヌ適性が高いのもさることながら、5人の内の一番最下層の田無役の浜野謙太が俳優としてのポテンシャルを遺憾なく発揮している。また、意外にも音楽の使い方も上手く、オペラの「魔笛」の曲を効果的に使っている。
あと、後半に主人公を交えた4人でのシーンの会話が秀逸で、これを松竹の試写室で見た筆者は試写室で爆笑してしまった。
今でこそ一線で活躍している吉高由里子や杏が出ている映画で、彼女らがまだブレイクする前の作品として見ると感慨深い。
3.『サイドウェイ』
お次はアレクサンダー・ペイン監督作品、ポール・ジアマッティ主演の『サイドウェイ』。2004年度のアカデミー賞を『ミリオンダラー・ベイビー』や『アビエイター』と争った映画で、ポール・ジアマッティ以外はヴァージニア・マドセン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、サンドラ・オーといったラインナップでどこを切っても渋みがあるワインのような映画である。
映画自体はトーマス・ヘイデン・チャーチが演じるジャックが独身ワインヲタクのマイルズを連れて完全旅行に行った先でマヤとステファニーと出会い、奥手なマイルズがマヤと親密になろうとする話。つまり、ポール・ジアマッティを使った弱者恋愛なんだけど、このポール・ジアマッティが演じるマイルズがワインヲタクとあってワイナリー巡りやマヤたちとワイン談に花を咲かせるシーンがあったり、ワイン絡みでいいシーンが多い映画だったりする。マイルズの相手になるマヤを演じるヴァージニア・マドセンもまた渋い女優で、熟した大人の恋愛感たっぷり。あと、当時監督の奥さんだったサンドラ・オーが目立つ映画でもあり、そういった意味でも貴重な映画である。
4.『ラブ・アクチュアリー』
ここで恋愛映画のド定番もチョイス。『ノッティングヒルの恋人』や『ブリジット・ジョーンズの日記』など数々のラブコメの脚本を手掛けたリチャード・カーティスの監督デビュー作にして究極のクリスマスラブコメ群像劇。
一つの映画に10組のカップルの話を同時進行させつつ、英国大統領の恋愛から小学生の初恋、LGBTものなど様々な恋愛模様が楽しめる映画で、かつ、クリスマスまでのカウントダウンの日々もしっかりと描いている。
5.『パッチギ!』
井筒和幸監督作品『パッチギ!』もしっかりと恋愛映画、というか日本人の高校生と在日朝鮮人の女子高生によるロミオとジュリエットだったりする。
この映画は1969年の大阪、京都の空気を知る井筒和幸監督の当時の世相・流行をたっぷり入れ、またこの映画と近い時期に公開された『血と骨』よりも現代に寄った時代を取り上げたこともあり、昭和生まれの方なら懐かしさを感じられた映画だったと思う。
また、沢尻エリカや、小出恵介、高岡蒼佑、真木よう子、木下ほうかなど、後に世間を騒然とさせるお騒がせ俳優の梁山泊的な作品になってしまい、彼らが問題を起こす度に不思議とクローズアップされる映画でもあるが、他にも塩谷瞬やケンドー・コバヤシ、オダギリジョー、加瀬亮、余貴美子、京野ことみ、大友康平など多彩な俳優、タレントが出ている映画でもある。
6.『まともじゃないのは君も一緒』
続いて『婚前特急』を手掛けた前田弘二監督の作品をもう一本。他にも『わたしのハワイの歩きかた』や『夫婦フーフ日記』などラブコメ作品手掛ける“ ラブコメ名人”の前田弘二監督が「婚前特急2」として『婚前特急』の脚本家・高田亮と手掛けたのがこの映画。
イケメンの成田凌を恋愛という場面でしどろもどろになる塾講師・大野を演じさせ、清原果耶が演じる女子高生の秋本がチョイ上から目線で恋愛指南役になるという構図が滑稽で、中盤から秋本の気持ちの変化と揺らぐ様子がまた面白い。
7.『枯れ葉』
そして、2023年末に日本でも公開し、昨年のカンヌ国際映画祭でも話題になったアキ・カウリスマキ監督作品『枯れ葉』。高校生とかではなくて、共に転職癖がある疲れた大人たちのボーイミーツガール(ボーイミーツガールと言うのは微妙かもしれないがあえてそう書きます)。
せっかく連絡先のメモをもらって恋愛が発展するかと思いきやそれを数秒で無くす野郎のダメさ加減は半端なく、仏頂面なヒロインが健気に寂しさに耐えながら待つ姿が印象的。いくら北欧フィンランドとは言えバーやネカフェ、病院のシーンがボロっちく見える辺りにアキ・カウリスマキ監督作品の味わいが深く、彼の引退宣言からの撤回・復帰作ということもあってかボロ描写がさらに拍車がかかっていたような気がする。
8.『アメリ』
そして2000年以降ならばこの映画も外せない。オドレイ・トトゥ主演にして彼女の出世作で、色々こだわりがある不思議ちゃんなヒロインのアメリ・プーランのプラトニックな恋愛を描いた作品。
映像演出の奇抜さやファッション、小道具の使い方など、後のフランス映画だけでなく日本映画にも影響を与えた作品で、筆者も何かの機会でレストランでブリュレが出てくると「あ、『アメリ』で出て来たスイーツだ」となるし、マチュー・カソヴィッツとの近くにいるのに異様に遠回りする恋愛はもどかしくもあるが微笑ましくもある。
9.『紙屋悦子の青春』
そして原田知世と永瀬正敏のほぼ二人芝居のこの映画も忘れがたい。
原田知世が演じるヒロインが本命ではない本命の友人とお見合いをする話で、しどろもどろながら必死でいいところをアピールする永瀬正敏が演じる永与少尉の健気さが良い。シンプルな室内会話劇ながら戦争映画の側面もあり、素敵な日本映画として印象深い。
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ということで王道からミニシアター系、邦画洋画問わず9本ピックアップ。
これに漏れた作品もまた別枠で描ければ幸いです。
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投稿を表示「ラブ・アクチュアリー」と「アメリ」
大好きです!最近だと「枯れ葉」も良かったなぁ、パンフレットも かなりオシャレでした😄✨
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