衝撃のラストに備えよ ~ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ~ (若干のネタバレあり)
🎦ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ🎦
(2024年 アメリカ 138分)
世間では賛否両論、特に本国アメリカではミュージカル仕立てにしたことに対して相当な批判を浴びていると聞いていたので、まあ自分の目で確かめることは大事、とばかり昨日観てきました。結果、私は嫌いじゃないです。むしろ良かったです。前作が傑作だったので超えることは難しいでしょうけど、この世界でのジョーカーの生末は、切なく悲しい男の物語でした。
(はい、前日に前作を復習してから見に行きました)
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、 レディー・ガガ、ブレンダン・グリーソン 他
タイトルの「Folie à Deux」(フォリ・ア・ドゥ)の意味
フォリ・ア・ドゥはフランス語で「二人狂い」という意味で、一人の妄想がもう一人に感染し、複数人で同じ妄想を共有する精神障害のことを言うのだそうです。このタイトルから、これは妄想と現実の狭間の作品であることが判ります。妄想を共有するのは謎の女性リー/ハーレイ・クイン(レディ・ガガ)、そしてジョーカーを崇める大衆たちでしょうか。
最初のアニメーションの意味
冒頭は古き懐かしい風(そう、昔のワーナーアニメみたいな)アニメーションで始まります。偽物のジョーカーが本物を閉じ込めてやりたい放題する短いアニメですが、このアニメーションに全編のすべてが詰まっているような気がしました。
持たざるもののカリスマとしてのジョーカー
前作のラストシーンで、大衆に囲まれて踊っていたジョーカーは、2年後、州立病院内の監房に収監されていました。前作より更に、骨がむき出しになるほどやせ細ったホワキン・フェニックス。本作の前に公開された「ボーはおそれている」では、お腹ポッコリの危ない中年オヤジを演じていたのに、撮影の順番は判りませんが、同じ人とは思えないこの変身ぶりに驚きを隠せません。
収監されていても大衆のカリスマ・ジョーカーとして崇められているアーサーは、5人の殺害(地下鉄でサラリーマン3人、元同僚の大道芸人、生放送での司会者マーレ―、でも本当はもう一人、自分の母親を殺している)容疑で、裁判を待っている状況。弁護士はアーサーが二重人格で、もう一人の人格であるジョーカーが一連の犯罪を起こしたことを立証し、無罪にしようと頑張っています。
果たしてアーサーは二重人格者なのか?それともジョーカーは本物のアーサーそのものなのか?
ミュージカル仕立てにした理由
前作では、悪のカリスマとして崇められるシーンで終わった「ジョーカー」。このままで終わらせてしまったら、世間に悪い影響が出るのでは?と監督が心配したのではないでしょうか?現に日本ではジョーカーに扮した若者が都内の電車内で人を刺し火をつけるという惨事が起きてしまいました。それが直接の理由ではないにしろ、ミュージカル仕立てにしたことで、これは妄想のお話なんだよ、彼はただのアーサーであって、結局のところ普通の一人の人間、悪いことをしたら報いがあるんだよ、ということを、突然歌いだすことで、やんわりと伝えたかったのではないでしょうか?歌われる曲もほとんどがThat’s Entertainmentなどの往年のミュージカル映画からの選曲と70年代のポップスに、私にはノスタルジックな気持ちになって心地良かったです。(1曲だけレディ・ガガ作曲のオリジナル曲Folie à Deuxがあったようです)
孤独で寂しい男の末路
「衝撃のラストに備えよ 」という宣伝文句があっただけに覚悟はしていました。やはり。。という感じのラストに切なさと悲しさでいっぱいになりました。↑でも書いたように、悪いことには必ず報いが伴うことをトッド・フィリップス監督はこの映画で表現したかったのではないでしょうか。
あと、関係ないのですが、ホワキン・フェニックスが、ロジャー・フェデラーに見えてしまって仕方がなかったのは私だけでしょうか?(笑)
いきなり前作を見ずしてこの映画を見に行く人はほとんどいないとは思いますが、前作未見の方は、ぜひとも前作を観てから本作を観て下さい。
(2019年 アメリカ 122分)
監督:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス 、 ロバート・デ・ニーロ 、 ザジー・ビーツ 、 フランセス・コンロイ
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投稿を表示2019年「ジョーカー」は素晴らしい出来栄えでした。
自然に精神を病んでいくジョーカーを、ホアキン・フェニックスが上手く演じていましたね。
新作は、例によって ‘ほとぼり’ が醒めてから、視聴したいと思っています。
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投稿を表示これ観てないというか、楽しめるか不安で予定してないんですが。それでも配信来たらしっかり前作と続けて観て、ラストの衝撃を食らいたいと思います!!
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投稿を表示魔女さんのおっしゃるように、トッド・フィリップス監督が社会への影響、若干考えたふしはあるかもと同感です 日本での事件についても何も知らなくはないのでは…!と想像しておりました
妄想をミュージカル仕立てにするなど、映画ならではの作り方は功を奏していますよね☺️
突如走り出した恋に、胸が痛いほど高鳴ってしまいました!結末はとても悲しいものでしたが…
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