【ネタバレ】”真実”が隠れているは他にもあった『さよならのつづき』
Netflixシリーズ『さよならのつづき』が11月14日(木)から配信開始され、この物語のメインとなる珈琲ではなく、”音楽”にフォーカスした考察を綴る。「1話目で終わって欲しい」「7話目で終わりなのでは?」など、そこで終わって欲しい儚さと、さらに上手くいって欲しいという希望に感情を左右されながら、込められた音楽の深みも体感して欲しい。※以下ネタバレを含みます
目次
「I want you back」がすべてだった
米津玄師が贈る主題歌「Azalea」
■作品概要
有村架純& 坂口健太郎 主演 × 岡田惠和 脚本。
恋人の雄介にプロポーズされたその日に交通事故で亡くし、悲しみに打ちひしがれるさえ子。一方で、雄介の心臓を提供された相手・成瀬は、心に違和感を覚えていたー。何かに導かれるように出逢い、運命に翻弄されるふたり。日本が誇るヒューマンドラマの名手・岡田惠和が描く、完全オリジナルストーリーの恋愛ドラマの新たな金字塔が誕生。
■あらすじ
菅原さえ子(有村架純)が恋人の中町雄介(生田斗真)からのプロポーズを受けたその日、雄介は交通事故で亡くなってしまう。北海道のコーヒー会社で働くさえ子は仕事に没頭しようとするが、雄介がくれた愛の大きさに日々気づかされていた。ある時、さえ子は雄介の心臓を提供された相手から手紙を受け取る。ルールに従って無記名でお礼を書いたのは、大学職員の成瀬和正(坂口健太郎)。
彼の病を知った上で一緒になったミキ(中村ゆり)と、リンゴ園を営む彼女の実家で暮らしている。
手術に成功した成瀬は驚くほど元気になるが、時々フラッシュバックする自分のものではない記憶に違和感を覚えていたー。
「I want you back」がすべてだった
今や知らない人はいない、明るく踊りだしたくなる「I want you back」はジャクソン5が1969年に発表したシングル曲。初のシングルで、グループのメジャー・デビュー作に当たる。直訳すれば「帰って欲しい」という意味になるが、この秘密は歌詞の中にあった。
引用:http://nananalululu.blog.fc2.com/blog-entry-69.html
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~
Oh baby all I need is one more chance
ベイビー もう一回チャンスがほしい
(Show you that I love you)
(君を愛してるって証明するから)
Won't you please let me
君の心の中に
Back in your heart
また戻ることはできないか?と
All I want
僕が欲しいのは
All I need
僕が必要なのは
All I want
僕が欲しいのは
All I need
僕が必要なのは
Oh, just one more chance
ただもう一回のチャンス
To show you that I love you
君に愛してるって伝えるための
~
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この曲を弾き始めたのは恋人の中町雄介(生田斗真)が菅原さえ子(有村架純)と出会ったときに引いた曲である。落ち込んでいたさえ子を元気づけるために明るい曲を弾いて、「大丈夫、なんとかなる」と勇気づけるものだった。そして、8話目に再びハワイの空港で成瀬和正(坂口健太郎)と菅原さえ子(有村架純)がピアノを前にする。そして、弾き始めに特徴があったこの曲のメッセージが"SMILE"だったことを明かす。
"SMILE"のメッセージ性にも勿論驚かされたが、中町雄介(生田斗真)と菅原さえ子(有村架純)が出会ったころから「命を落とす」ことを歌詞で表現されていたのだ。特によく知る曲だけに「元気づけるための曲」と認識してしまっていたが、この伏線には鳥肌が立った。そして、この言葉も歌詞の中にしっかりと歌われている。
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Let me live again
もう一度生き返らせて
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あくまで考察ではあるが、ここまで物語と一致している歌詞に異論はないだろう。様々な珈琲の品種や焙煎のシーン、ハワイの広大な景色など魅了されるポイントはいくつも存在するが、これ以上に隠された秘密が眠っている部分は他にはない。
米津玄師が贈る主題歌「Azalea」
『さよならのつづき』の主題歌となるのは米津玄師『Azalea』。ジャケットは本人が描き下ろしていて、楽曲フルが11月18日(月)に配信リリースされる。気になる話の終盤でこの曲が流れ、「どこか儚く」「どこか恋しく」なるようなメロディ。
公式HP:https://reissuerecords.net/2024/10/02/azalea_netflix_beyondgoodbye/
「Azalea」はツツジの仲間で、花言葉は節度、慎み、奥ゆかしさへの賞賛を意味する。まさにこの『さよならのつづき』を代弁した花言葉である。極端に激しい描写ではなく、心の奥底に何度も何度も問いかけてくる本作は”ツツジ”のような落ち着きさえ覚える。成瀬和正(坂口健太郎)は人として完成し過ぎているほど丁寧で人情深いキャラクターのため、「節度」や「慎み」が非常によく似合う。物語全体にも言える「奥ゆかしさ」だが、個人的に最も奥ゆかしさを感じるのは篠田(しのだ)演じるイッセー尾形とヒロを演じた三浦友和。この二人は本作を支えるキーパーソンとも言える。
また「Azalea」の語源はAzaleos(アザロス)から来ていて「乾燥」を意味する。乾燥地域でもよく育つことが起源のようだが、ここにも別の意味の花言葉がある。この花言葉は花に対して珍しいが「禁酒」という意味もあるようだ。乾燥(dry)=お酒が切れているという花言葉を持っているようだが、ここでお気づきだろうか。
心臓移植をした成瀬和正(坂口健太郎)は時が経つにつれて、中町雄介(生田斗真)の記憶を失いつつつあるが、結果として人生の残り時間も失いつつある。8話目で最後の力を振り絞って菅原さえ子(有村架純)の元に向かう中町雄介(生田斗真)だったが、心拍を上げるような行動は控えるようにと妻の成瀬ミキ(中村ゆり)から電話が。その言葉の中には「絶対お酒は飲ませないで」というフレーズ。しかも、成瀬和正(坂口健太郎)本人から「雄介さんはお酒ってすごく飲めたのかな?」という会話もしている。あくまで考察でしかないが、主題歌と最後の言葉の繋がりは無いとは言えないほど何か感じるものがあった。
■出演
有村架純 坂口健太郎 ※W主演
中村ゆり 奥野瑛太
伊藤歩 古舘寛治 宮崎美子 斉藤由貴 イッセー尾形
生田斗真 / 三浦友和
■スタッフ
脚本 岡田惠和
監督 黒崎博
音楽 アスカ・マツミヤ
主題歌:米津玄師「Azalea」
撮影監督 山田康介
美術監督 原田満生
エグゼクティブプロデューサー岡野真紀子
プロデューサー 黒沢淳・近見哲平
ラインプロデューサー 原田耕治
制作プロダクション:テレパック
原案・企画・製作 Netflix話数:全8話(一挙配信)
Netflix作品ページ:https://www.netflix.com/さよならのつづき
予告編: 『 さよならのつづき』 予告編 - Netflix
11月14日(木) Netflixにて世界独占配信開始