DISCASレビュー

2006年公開のフランス・カナダ合作映画、中国南部の架空の町にある湖上の孤島の植物園を舞台に、若い女性たちの愛と悲劇を描いた静謐で美しい作品である。私は初めて観たとき、中国（香港）製作だと思っていたが、香港でもこのような進んだテーマを扱うことは難しかったのであろう。

物語は、植物学者の父を持つ娘と、彼女の女友達との関係を中心に展開する。二人は植物園でともに暮らすうちに、次第に惹かれ合い、愛し合うようになる。舞台となる島や植物園の風景は非常に美しく、まるで絵画のような映像が続く。このロケ地は中国ではなく、ベトナムで撮影されたという。

しかし、物語はやがて衝撃的な展開を迎える。父親が二人の関係を知り、告訴することで、中国の法律では同性愛が死刑であるということに驚かされた。