【ネタバレあり】映画『カラーパープル』全てが繋がる、美しく完璧な名作リメイク。
全てが繋がった。
これは美しく完璧な名作リメイク。
伝説の映画だけあって、これはさすがとしか言いようがない。
1985年。アカデミー賞10部門にノミネート。そんな伝説の映画がミュージカルとなりスティーブンスピルバーグによって、生まれ変わりました。
そんな『カラーパープル』はタイトルそのものだけでなくもう一つのテーマがあったと感じ取りました。
【目次】
・カラーパープルの意味は1つじゃない
・紡ぐということ
・曲中の「神の御業(みわざ)」とは
そんなお話をする前に、まず頭に入れておいて欲しい情報。
〜予備知識〜
巨匠スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた名作映画「カラーパープル」をミュージカル映画としてリメイク。ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説と、ブロードウェイでロングランヒットを記録したミュージカル版をもとに再映画化する。
ーあらすじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
横暴な父に虐待され、10代で望まぬ結婚を強いられた女性セリー。唯一の心の支えである妹とも離れ離れになり、不遇な日々を過ごしていた。そんな中、型破りな生き方の女性たちとの出会いや交流を通して自分の価値に目覚めたセリーは、不屈の精神で自らの人生を切り拓いていく。
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当然ながら、人種差別や人身売買・男尊女卑など、歴史的な背景をミュージカル✖︎カントリー調の音楽に乗せ進む物語ではありますが、キーワードは2つあった。
・カラーパープルの意味は1つじゃない
本作では自然に咲く花の中で赤や青は気が付きやすいが”パープル”に気づくかがポイントとされている。普段の日常で過ごしていては何も見えてこないが、外の世界を見ることで気が付く”パープル”。
主人公セリーだけでは”パープル”が見えないが手助けしてくれるのがシュグ、ソフィア、ネティ。
「笑うこと、力強く生きること、前へ進むこと」
“パープル”に気が付くまでの物語は勇気づけられて、同じ心境に遭った人には心の支えになるような作品です。そんな”パープル”はしっかりオマージュもされている。
シュグの真っ赤なドレスと、セリーの青のドレス。結果的に彼女らが一緒になることで”赤+青=パープル”になり、シュグが暮らす新しい世界(パープル)にも出会える。この考察が合っているなら、とても清々しい。
・紡ぐということ
主人公セリーは従属化される人生を強いられており、自分から飛び出したり、動けるような人間ではなかったが母親にも褒められた自分の特技と言えば、”縫い物”だった。
その縫い物は結果的に自分の店を持つキッカケになり、人を喜ばせる、自分を表現できる行動となる。そんな”縫い物”は物として評価されるだけでなく、人間関係も上手く紡いでいくことになる。
妹ネティを大切にすることで、自分の実の子と繋がり
シュグの料理や背中を洗うことで、親しい関係に。
ソフィアには毎週のように訪問しては、勇気づける温かさ。
これらは全て少しずつセリーが人と人との関係性を紡ぎ、繋いでいくことで出来上がった”家族”である。最後の最後には、暴力を振るわれた主とも離れ離れになった妹や友人と手を取り合うシーン。これはもはやセリーの縫い物のように紡いだ"家族の絆"そのもの。非常に綺麗で温かい関係性が表現されているように思える。
カラーパープルの意味然り、紡ぐという行動然り、これが名作たる所以だと映画を観終わって映画ノートを見返しながら、全てが繋がった。素晴らしい作品だった。
・曲中の「神の御業(みわざ)」とは
メロディの中に出てくる「神の御業(みわざ)」について。
神様を信じる信じない、いるいないと、この物語では主人公セリーに掛かっている気がするが...実はこれは主であるミスターに掛かっている。
「神の御業」とは神のなせる業(わざ)で災害や天災など人が制御できないことを指している。
結果、暴力や身勝手を振るってきたミスターに対して、畑に害虫が溢れかえり、仕事がなくなる始末に。(その予兆として、天候の荒れや鳥の大群が現れるシーンも)
但し、「神の御業」を受けたあとは”責任からの解放”される。
そのため、今回ミスターは死や無惨な終わりにならず、結果家族としてセリー(内なる神)に迎えられるのだと考察する。ミュージカル映画ということもあり、最後は家族が一つになる締まりの良い終わり方になったのも、この「神の御業」が冒頭から伏線があってこその作品だったと感銘を受けた。
【最後に】
3月10日のアカデミー賞表彰式を間近に、作品ラッシュがここ1ヶ月続くため楽しみで仕方ない。
やっぱり気になるは『オッペンハイマー』ではあるが、『カラーパープル』を観た私からすると、相当手強いライバルになると予想できる。"名作のリメイクが作品賞受賞!!"というニュースも容易に想像できるほど、感心のため息が出る作品でした。
映画イベント"映画を観ない、映画交流会"主催 / TSUTAYA DISCAS Discover us公式アンバサダー
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投稿を表示初めて知ることばかりです!ありがとうございます♪観るの楽しみです!小6の息子が、『グレイテスト・ショーマン』『ラ・ラ・ランド』などパワフルなミュージカル大好きなんで誘ってみます!
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