DISCASレビュー

『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』（1998）は、ポケモン映画シリーズの第1作で、深いテーマと感動で知られる名作。サトシたちが謎の招待状でニューアイランドに呼ばれ、科学者によって生み出された最強のポケモン・ミュウツーと対峙。ミュウツーの「自分は何者か」「命の価値とは」という葛藤と、ミュウとの壮絶なバトルが描かれる。シリアスな物語とポケモンたちの戦いの泥臭さが心に響き、ラストの涙腺崩壊シーンや小林幸子の主題歌「風といっしょに」が強い印象を残す。子供向けながらクローンや存在意義という重いテーマが大人にも刺さり、シリーズ最高傑作との呼び声も。

同時上映の『ピカチュウのなつやすみ』（1998）は、ポケモンたちが主役の短編。サトシたちは登場せず、ピカチュウやトゲピーたちが夏の冒険でドタバタ騒動を繰り広げる。ポケモンの鳴き声やジェスチャー中心で、子供向けの可愛らしい内容だが、大人には会話の分かりづらさが指摘されることも。軽快でほのぼのした雰囲気は、シリアスな本編との対比が面白い。