ニューヨークの怪人
ニューヨークの怪人
原題:THE COLOSSUS OF NEW YORK
1958年 アメリカ
スタッフ 監督:ユージーン・ローリー 製作:ウィリアム・アランド 原作:ウィリス・ゴールド
ベック 脚本:セルマ・シュニー 撮影:ジョン・F・ウォーレン 編集:フロイド・ナ
ットソン 音楽:ヴァン・クリーヴ 特殊効果:ジョン・P・フルトン 合成撮影:ファ
ルショット・エデュアルト
キャスト ジョン・バラグレイ、マーラ・パワーズ、オットー・クルーガー、チャールズ・ハーバー
ト、ロバート・ハットン、ロス・マーティン、エド・ウルフ ほか
ニューヨーク在住のジェレミー・スペンサー博士は世界的な科学者で、父親ウィリアムは脳医学の権威、兄ヘンリーもロボット工学の第一人者というエリート一家の出身。聡明で美しい妻アンや幼い息子ビリーにも恵まれ、満ち足りた幸福な生活を送っている。そんな彼が人道主義的な功績を評価され、国際平和賞を授与されることとなった。ストックホルムでの授賞式を終えてニューヨークへ戻ってきたジェレミー。すると、空港で息子ビリーが持っていた飛行機の玩具が風に飛ばされ、それを拾おうと道路へ飛び出したジェレミーがトラックに轢き殺されてしまう。悲しみに暮れる一族。特に父親ウィリアムは息子の死を受け入れることが出来ず、事故以来自宅の研究室に閉じこもってしまった。実は、ウィリアムは事故直後にジェレミーの脳を秘密裏に摘出し、生命維持装置につないで保存していた。彼は長男ヘンリーに最新鋭のアンドロイドを作らせ、そこにジェレミーの脳を移植することで彼を蘇らせようとしていたのだ。

『原子怪獣現る』('53)や『大海獣ビヒモス』('59)、『怪獣ゴルゴ』('61)といった巨大モンスター映画で有名なユージン・ローリー監督が、その合間にひっそりと撮影したカルトなSFホラー映画である。かなりの低予算映画であることは一目瞭然。巨人ロボットの特殊メイク・デザインもインパクト強烈。しかしなにより驚かされるのは、科学的な根拠に基づいたディテール描写だ。芸の細かさに思わず感心する。移植された脳の波長が安定するまで、電子音声にノイズが入りまくるという描写も真実味あり、当時の巷に溢れていた子供騙しな空想科学映画とは一線を画するリアリズムだ。ちなみに、巨人ロボット役を演じているのは身長2メートル24センチの巨人スーツアクター「エド・ウルフ」。邦題は「怪人」ですが、原題は”Colossus”ですから、まあ巨人ですね。この手の映画は宣伝ビジュアルなどでは「盛る」ことが多いですが、こちらの画像はだいたい本編に登場したのと同じくらいのイメージでしょうか。2メートル半はありそうで、実際に動いているところはなかなかの迫力です。