あまりにも悲しく、観ていて胸が締めつけられるような物語だった。主人公の運命が少しずつ崩れていく様子は、静かでありながら残酷で、観る者の心に深く突き刺さる。
そんな物語が、ミュージカル仕立てで描かれているというのも驚きである。主人公が現実の苦しみから逃れるように歌い出す瞬間は、幻想的で美しくもあり、逆に現実の過酷さを際立たせている。
特に、ラストの死刑執行のシーンはあまりにもリアルで、思わず声が漏れてしまうほどの衝撃だった。映像、音楽、演技のすべてが極限まで感情を引き出し、観終えた後もしばらく心がざわついていた。