大魔神
大魔神
1966年 大映 劇場公開:1966年4月17日
スタッフ 監督:安田公義(本編)、黒田義之(特撮) 脚本:吉田哲郎 製作:永田雅一
企画:奥田久司 音楽:伊福部昭 撮影:森田富士郎 美術:内藤昭 編集:山田弘
キャスト 高田美和、 青山良彦 、藤巻潤 、五味龍太郎、 橋本力、島田竜三、遠藤辰雄、伊達三郎、
出口静宏、二宮秀樹、月宮於登女、香山恵子、尾上栄五郎、木村玄、黒木英男、伴勇太郎
、杉山昌三九 ほか
戦国時代、「丹波の国」の領主・花房家は、家老の大館左馬之助一派の下剋上によって幼い忠文・小笹兄妹の2人を残して滅ぼされ、領民たちは砦の建設のために苦役を強いられることになってしまった。花房の兄妹は忠臣・小源太の叔母で魔神の山の魔神「阿羅羯磨」(あらかつま)を鎮める巫女の信夫の下に身を寄せ、お家再興の機をうかがう。月日は流れ、忠文と小笹はそれぞれたくましい若者と美しい娘に成長していた。一方、彼らの潜む魔神の山には巨大な武神像があり、領民たちから篤く信仰されていた。これを快しとしない左馬之助は、忠告に上がった信夫の「このまま領民たちを苦しめ続けたら魔神による神罰がある」という言葉を嘲笑い、「神罰があるなら見せてみよ」と信夫を斬り殺し、こともあろうに山中にある武神像の破壊を配下に命じた。

本作の企画はチェコスロバキア映画の『巨人ゴーレム』(1936年)で描かれたゴーレム伝説が元となり、大映京都撮影所の特撮技術を活用する旨となっている。映画『大魔神』で特に印象的な名シーンは、大魔神の顔が穏やかな表情から一変し、恐ろしい怒りの顔に変わる瞬間で物語の中で最も緊迫感があり、大魔神がただの石像ではなく生きた神であることを強く印象付ける重要な場面です。
映画『大魔神』は、日本だけでなく海外でも評価されており、海外の観客は、『大魔神』を日本の特撮映画の一つとして、ゴジラシリーズなどと比較しながら楽しんでいます。また、海外の観客にとって、『大魔神』の物語は、日本の神話や文化に根ざした要素があり、独特の雰囲気を持っていることが魅力の一つです。正義と復讐、神への畏敬といったテーマは、世界中のどの文化でも共感されやすいものであり、この映画はそのテーマを通じて国際的にも理解されやすい作品となっています。特に、欧米の映画ファンの間では、特撮技術や美術の面でも、当時の映画としては非常に質の高い作品として認識されています。そのため、海外でも特撮映画ファンやモンスター映画ファンから根強い支持を受けています。