こんなことが”ありふれた事”ならば、教師はつらいよ! 🎬ありふれた教室🎬
🎬ありふれた教室🎬
(ドイツ・2023年・99分)

監督:イルケル・チャタク
出演:レオニー・ベネシュ
レオナルト・シュテットニッシュ
ミヒャエル・クラマー
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あらすじ:(allchinemaより) 学校で起きた一つの事件をきっかけに、正義感あふれる新任教師が生徒のためにとった行動が、予期せぬ波紋となって事態が急速に悪化していくさまをリアルかつ緊張感あふれる筆致で描き、アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされるなど高い評価を受けたドイツ製サスペンス・ドラマ。主演は「白いリボン」のレオニー・ベネシュ。監督はこれが長編4作目のイルケル・チャタク。 |
とても重たいテーマ、教師という仕事の重さを考えさせられる秀作
原題はDAS LEHRERZIMMER(THE TEACHERS' LOUNGE)、つまり『職員室』。それをこの邦題にしたことは、かなりのインパクトがある。
確かに、学校での盗難事件とか、大問題ではあるが、ありふれた出来事なのかもしれない。そして犯人捜しの過程で、やり方を間違えることにより、大きな波紋となり、教師・生徒・保護者たちの間で信頼のバランスが崩れ、やがて学級崩壊につながっていくという怖いお話。
教師という職業は本当に大変な仕事だということは、万国共通なんだなと痛感させられた。

主人公のノヴァク先生は何も悪くない
新任のノヴァク先生は、生徒の一人(それもアラブ系の移民)が犯人扱いされたことに心を痛める。校長らからは『私たちは経験豊かなんだからこのやり方に口出しするな』的な態度を示され、こんなやり方は良くないと反論しても、取り合ってもらえない。
そこで彼女は、パソコンの録画機能を使い、自分の財布をジャケットに入れたまま体育の授業に行くという罠を仕掛け、犯人を特定しようとした。そしてそこには意外な犯人らしき人の姿が!
何がいけなかったのか?そのあとの対応の仕方を熟考すべきだったのかもしれない。正義感の強いノヴァク先生は、犯人にストレートに挑んでいく。そのことが生徒や保護者、教師たちを巻き込んで、大問題へと発展していき、やがて彼女は閉塞感を味わうことになるのだ。

真実はどうだったのかは本作では重要ではないようだ
問題行動のある生徒を転校させてしまえばいい、という教育方針には驚いた。義務教育の公立小学校でそれはないだろう、と素人ながら思う。それを対処するのが教師たちの仕事だろう、と思う。大変なことだけど、覚悟を持ってこの職業を選んだのだろうから、親身になって対応して欲しいものだと、思うのは勝手な言い分だろうか?

結局、何も解決はされない。
盗難真犯人も、確実な決め手がなく、やったのかやらなかったのか、そこも曖昧で終わる。(私は間違いなくやっていると思う)そこは本作のメインではないからだろう。

ラストは意外にも爽やかさが残る。ちょっと噴き出してしまった。これからどうなるのか気になるところだが、きっといい方向に行くのではないか?とさえ思わせるラストが良かった。

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投稿を表示吹き出してしまうようなラスト、とは…😳なんだか意外な感じで気になります!