吸血鬼ブラキュラ
吸血鬼ブラキュラ
1973年 アメリカ 劇場公開:1973年6月16日
スタッフ 監督:ウィリアム・クレイン 製作:ジョゼフ・T・ナール 脚本:ジョアン・トーレス
、レイモンド・コーニッグ、リチャード・グローバー 撮影:ジョン・スティーヴンス
音楽:ジーン・ページ 編集:アラン・ジェイコブス 製作総指揮:サミュエル・Z・ア
ーコフ、ジェームズ・H・ニコルソン
キャスト ウィリアム・マーシャル、ヴォネッタ・マギー、エリシャ・クック・Jr 、デニース・ニコ
ラス、ゴードン・ピンセント、タルマス・ラスラーラ、チャールズ・マコーレ、エミリー
・ヤンシー、ジ・トゥ・カンブカ、ケティ・レスター、ランス・テーラー・シニア、テッ
ド・ハリス、リック・メツラー ほか
黒人王子マモールデ(ウィリアム・マーシャル)が、その妻ルーパ(ヴォネッタ・マギー)と共にドラキュラの呪いを受けて吸血鬼になったのは1783年、王子が奴隷制度廃止の嘆願書にサインしてくれるよう彼に頼んだときだった。それから2000年近く、黒い肌の吸血鬼ブラキュラは眠り続けていたのである。その棺の蓋を開けたのは室内装飾家ビリー(リック・メツラー)とボビー(テッド・ハリス)の2人。そのために眠りをさまされたブラキュラに血を吸いとられた末、命をおとしたのであった。そのボビーの変死体に不審を抱いたのは警察所属の病理学者ガードン・トーマス(タルマス・ラスララ)である。婚約者であり仕事の部下でもあるミシェル(デニス・ニコラス)とその姉ティナ(ヴォネッタ・マギー)に案内されて葬儀屋のスウェンソン(ランス・テイラー・シニア)の所へ行き、その傷あとを発見したのだが、死体には血液が一滴もなかったという言葉が彼の疑惑を深めた。

アフリカ系アメリカ人を中心にしたブラック・エクスプロイテーションホラー映画の中でも珍しいドラキュラもの。『吸血鬼ヨーガ伯爵』『ヨーガ伯爵の復活』『デスマスター』と3本の取り分けて特徴のない吸血鬼映画でそこそこに儲けたAIPは、流行の黒人映画とミックスすることを思いついた。それがこの『吸血鬼ブラキュラ』だ。「ドラキュラのソウル・ブラザー」なのだそうだ。音楽はファンキー、ブラキュラはヴァイオレント。もはや怪奇映画の枠を飛び越えている。AIPはそこそこに儲けたようで、翌年には続編『吸血鬼ブラキュラの復活』が製作されている。パム・グリアが出ているので、興味のある方は観ておいてもよいかも知れない。