ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は、私にとってハリー・ポッター魔法ワールドの拡張として、ビジュアルと世界観の広がりが圧倒的に魅力的だったけど、ストーリーの散漫さがどうしても引っかかる作品です。2018年の第2作で、ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が再び魔法動物たちと冒険しながら、黒い魔法使いグリンデルバルド(ジョニー・デップ→マッツ・ミケルセンに交代)の台頭を描くんですよね。
まず最高なのは、映像の美しさと魔法生物のデザイン。パリやホグワーツのシーンが幻想的で、ゾウーやニフラーみたいな可愛い生き物たちが画面を賑やかにしてくれる。グリンデルバルドの演説シーンは、ジョニー・デップの妖艶さとカリスマが炸裂してて、悪役として本当に怖くて魅力的。ダンブルドア(ジュード・ロウ)の若き日のクールさと、ニュートとの師弟みたいな関係性も心に残るんです。特に、ダンブルドアとグリンデルバルドの過去の恋愛要素が明かされる部分は、静かに胸が締め付けられる。魔法ワールドの暗い歴史が少しずつ紐解かれていく感じが、シリーズの深みを増してる。
でも、正直に言うとストーリーがめちゃくちゃ詰め込みすぎで、キャラクターが多すぎて誰が何をしたいのか追いつかない。クレデンスの出自とか、クイニーとジェイコブの恋愛、ティナの葛藤、新キャラのラリタとか、全部が中途半端に終わっちゃうんですよね。クライマックスも「え、これで終わり?」って拍子抜けするし、前作の可愛い動物探偵ものから一気に政治・戦争色の強い話にシフトしたせいで、トーンがバラバラに感じる。観終わったあと「続きが気になるけど、ちょっと疲れた」みたいなモヤモヤが残るんです。
それでも、魔法ワールドのファンとしては「ここでグリンデルバルドの本気を見せられた」って興奮したし、マッツ・ミケルセン版のグリンデルバルドが登場した瞬間は鳥肌立った。シリーズ全体の伏線として大事な1作で、ダンブルドアの秘密につながる大事なピースなんだなって、後から観返すと納得できる部分が多い。