DISCASレビュー

『美食家ダリのレストラン』（2023年、スペイン）は、サルバドール・ダリが住むカダケスの海辺の街を舞台にしたヒューマンドラマ。フランコ政権末期の1974年、バルセロナを追われた天才シェフのフェルナンド兄弟が、ダリを崇拝するレストラン「シュルレアル」のオーナー、ジュールズと出会い、革新的な料理で人生を変えていく物語。ダビッド・プジョル監督が、エル・ブジのシェフ、フェラン・アドリアとダリの「もしも」を融合させた発想で描く。

感想：ダリのオブジェが彩るセットとエル・ブジの再現料理は視覚的に楽しいが、ダリ本人はほぼ登場せず、タイトルはやや誇張。料理革命や人間ドラマは心温まるが、ストーリーは単純で政治的背景が薄い。