地底王国
“鉄もぐら”と名づけられたロケットで地底探険を試みる科学者の冒険を描く。
製作総指揮はハリー・N・ブラム、製作はジョン・ダーク、
監督は「恐竜の島」のケヴィン・コナー、
原作はエドガー・ライズ・バロウズの「地底の世界ペルシダー」
出演はダク・マックルアー、ピーター・カッシング、キャロライン・マンロー、サイ・グラント、ゴッドフリー・ジェームズ、ショーン・リンチ、ボビー・パールなど。

一八九八年のある日。アメリカの科学者アブナー・ペリー博土(ピーター・カッシング)は、長年の研究成果を目のあたりにして、感慨にふけっていた。彼が心血を注いだ地底探検ロケットが完成したのだ。博士はこの巨大なマシーンをアイアン・モール(鉄モグラ)と名づけた。アイアン・モールは全長四二メートル。鋼鉄製の円筒のあたまに巨大な円錐形のドリルが装備され、地中で方向が変えられるような間接部もつくられている。

内部は宇宙船のようだ。超出力のエンジンや発電機、操縦装置のほか、酸素補給装置、レーダー、各種計器類、地質を自動的に分類する機械が備えつけられ、座席は本体がどんな角度になろうとも、一定の角度を保つように計算されていた。地球の内部がどうなっているかを実際に見て、その神秘のベールをはごうというペリー博士の研究に興味をもち、援助してきた富豪の青年デビッド・イネス(ダク・マックルアー)とペリー博士がアイアン・モールに乗り込み、出発する日がやってきた。

しかし、間もなく舵輪が故障し、機体は操縦の自由を失って暴走を始めた。数時間の間、非常な高温帯と低温帯をほぼ交互に通過、ついに二人は意識を失った。やがて気づいた二人は、あたりの異様な光景に眼をみはった。巨大な樹木、異臭を放つえたいの知れない草やキノコ類、様々な巨大怪獣が姿を見せ、一日中消えることのない太陽が輝く。ここは伝説で語られる地底の王国ペルシダーではないか?

1976年の映画ですが、この時代の特撮映画はCGでは出せない味わい深さがあります。ストーリーも分かりやすいのですが、今の映画と比べると手作り感満載なので、映画に没頭できずストーリーを楽しめないという人も居るかも知れません。
特撮を駆使した怪獣とのアクションは雰囲気があり、とても夢のあるストーリーになっています。
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本作は二番館で、やはりケヴィン・コナーの別の映画と二本立てで観たのでした。もう1本は何だったか覚えていませんが、多分、『アトランティス/七つの海底都市』だったか『恐竜の島』のどちらかだったと思います。
ケヴィン・コナー監督は特に19世紀から20世紀初頭を時代背景に持ってくるのが好きみたいで、それが、どこか長閑な雰囲気の特撮とマッチしていて私は好みです。本作もいかにも19世紀という感じのアイアン・モールのデザインは、いかにもマッド・サイエンティストの設計だし、その博士がピーター・カッシングというのは、まったく誂えたような配役ですね。
地底世界の翼竜みたいな支配種族とか怪獣たちがヌイグルミなのは英米の特撮では珍しいのですが、そのブサイクすれすれな怪獣も愛おしい。
映画ではありませんが、この地底世界の設定は石ノ森章太郎さんの漫画「サイボーグ009」の1エピソードで使われておりました。以上、余談。