DISCASレビュー

マスクド
2026/01/16 19:36

仮面ライダーアギト PROJECT G4

仮面ライダーアギトの映画でありG4が登場する作品です。
警察と自衛隊の対立という構図がある映画で、自衛隊の人間が「超能力者の子供達を集めて実験をしている」「警察にスパイを送り込んで色仕掛けや酔わせることで機密情報(しかも危ない兵器の設計図)を奪取する」「装着者が死ぬ兵器、G4を使用する(実験段階で3人、本稼働で1人死ぬ)」「人攫いをする」等、自衛隊が悪役として描かれているので例えフィクションでも自衛隊をそういう扱いにすることが許せない方はみない方が良いです。
前述したG4がとんでもない代物で、AIによる制御を行っているのですがその制御が補助レベルではなくむしろ完全にメインであり、装着者の意思とは関係なく動きます。そしてAIからしたら装着者の身体的スペックとかお構い無しなので、戦いが長引けば装着者が死ぬまで動き続けますしなんなら死んだ後もしばらく動き続けます。しかも自衛隊が行っていた超能力者の実験と組み合わせ、未来予知をすることが可能になるのですがそっちはそっちで超能力者に大きな負担をかけて死に至らしめる可能性があります。一回の稼働で二人の犠牲者を出すことから仮面ライダー史上でも上位に入る非人道的兵器だと私は思っています。
ストーリーとしてはどこまでも独善的でどんな犠牲も厭わない深海と自身の敗北により多くの犠牲を出してしまったため死を背負うことで恐怖を克服するという考え方を持つようになってしまった水城という二人の敵が登場します。どちらも偏った思想を持ち、それがG4という歯車が間に挟まったことでうまく噛み合ってしまっており、どこまでも暴走していきます。とは言え、他者を犠牲にする深海とどこか武人然として自分を犠牲にする水城では、個人的には水城の方がまだ好感が持てました。とは言っても水城は水城で死を背負うという思想をG3-Xの使用者である氷川や超能力の素質を持っていたというだけで拉致された真魚ちゃんにまだ共用するので、やはり危険人物であることには代わりはないのですが。
最終的に深海は法で裁かれることなくアンノウンの被害者となり、水城は自分の考えていた通りG4によって死亡しており、敵は二人ともいなくなったとは言え結局改心させることはできなかったという個人的にはなかなかビターな終わり方になったとは思います。とは言え実験されていた超能力者の子供達は里親になってくれる人が見つかり、主人公達もそれぞれの日常に戻っていったので、物語としては一件落着となったと思います。

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