ストーリー

「アウト・オブ・サイト」（1998年）のサウンドトラックは、スティーヴン・ソダーバーグ監督のクライム・コメディ映画を彩るデヴィッド・ホルムズのスコアと多彩な選曲が特徴。ジョージ・クルーニー演じる銀行強盗ジャックとジェニファー・ロペス演じる連邦保安官カレンのロマンスと追跡劇を、アイズレー・ブラザーズの「Fight the Power (Part 2)」やモンゴ・サンタマリアの「Watermelon Man」、ウィリー・ボボの「Spanish Grease」などが60～70年代の刑事ドラマ風の軽快なノリで演出。ディーン・マーティンの「Ain’t That a Kick in the Head」やウォルター・ワンダリーの「One Note Sun」もレトロな雰囲気を強化。ホルムズのオリジナル曲と劇中の台詞や効果音が織り交ぜられ、フィルムノワールのハードボイルド感とユーモアを強調。全体として、映画のスタイリッシュでセクシーな世界観を音で体現した名盤で、単体でもB級感漂う心地よい一枚。ただし、一部曲は映画の文脈に依存する印象も。クライム映画とレトロサウンドのファンに最適。