蠅男の恐怖
蠅男の恐怖
原題:The Fly
1958年 アメリカ 劇場未公開
スタッフ 監督・製作:カート・ニューマン 原作:ジョルジュ・ランジュラン『蝿』 脚本:ジェ
ームズ・クラヴェル 撮影:カール・ストラス 特撮:L・B・アボット 音楽:ポール
・ソーテル 編集:メリル・G・ホワイト
キャスト ヴィンセント・プライス、パトリシア・オーウェンズ、アル・ヘディソン、ハーバート・
マーシャル、キャスリーン・フリーマン、チャールズ・ハーバート、ベティ・ルー・ガーソ
ン、ユージン・ボーデン、ハリー・カーター ほか
ある日、物理化学者のアンドレが上半身を潰された状態の死体で発見される。容疑者は現場から逃げてゆく姿を目撃されたアンドレの妻のヘレンであり、彼女は義兄のフランソワとその友人のチャラス警部にアンドレについての話を語り出す。物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機の研究開発に没頭していたアンドレは、試行錯誤の末にカップや冷やしたシャンパンなどを用いて電送実験を成功させると、ついには自身を使って電送の人体実験を行った。

この映画は、作家ジョルジュ・ランジェランが1957年に発表した短編小説「The Fly」を元に映画化されたSFホラーの古典的作品です。原作とは若干の相違点はあるものの、現代風にアレンジされた【ザ・フライ(1986)】とは異なり、【蠅男の恐怖(1958)】はかなり原作小説に忠実に映像化されています。ほぼ原作通りと言っていいでしょう。本作は基準からすればホラーと呼ぶべき内容でしょうが、恐怖描写だけを強調したり、グロテスクなメイクで必要以上の嫌悪感をかきたてるものでもなく
蠅男と化し、妻と子供にもその姿を見せられないアンドレの哀しいラブ・ストーリーでもあります。
また、恐怖映画の名優ヴィンセント・プライスがアンドレの弟役で出演していて、翌年製作された続編「蠅男の逆襲」との重要な橋渡し役を務めています。続編は前作と1965年に『蠅男の呪い』という2作が作られています。ヴィンセント・プライスは、ピーター・カッシング、クリストファー・リーと並んで三大怪奇スターとして有名です。そして驚愕のラストシーン。映画史上最も悲しい「HELP ME…」のセリフが発せられる。その衝撃は脳裏に焼き付くこと必至。60年以上も前の映画ですから造形も今見るとかなり陳腐なもので、映像で見せる恐怖という点では安心?して見られます。ただ、本当の衝撃は「頭がハエになった男」ではなく・・・その先は観てのお楽しみ!古典の隠れた名作ホラーを
是非どうぞ。