■トワイライト・ウォリアーズ　決戦！九龍城砦

《作品データ》
『SPL 狼たちの処刑台』のルイス・クーが主演、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レンら豪華キャストが集結したアクション大作！ 『ドラゴン×マッハ！』のソイ・チェン監督がメガホンをとった。
1980年代に香港に密入国したチャンは、裏社会のルールを拒んである組織から目をつけられてしまう。追い詰められた彼は黒社会に生きる者たちの野望が渦巻く九龍城砦に逃げ込み、そこで出会った3人の仲間たちや恩師の龍兄貴と深い絆を作る。しかし九龍城砦を巻き込む抗争は激化、さらにチャンの出生にはある秘密があった。

・新宿バルト9他全国ロードショー中！【PG12】
・配給：クロックワークス
・公式ＨＰ： https://klockworx.com/movies/twilightwarriors/

《『トワイライト・ウォリアーズ　決戦！九龍城砦』レビュー》

予告編を見た様子からハードなアクションと1993年に取り壊された悪名高き九龍城砦がタイトルにあるから期待があった『トワイライト・ウォリアーズ　決戦！九龍城砦』。

これが想像以上のアクションだけでなく、

昔から漫画や映画で取り上げられていた魔都・九龍城砦の日常の様子もしっかりと味わえて、アクション以外もしっかりとした九龍城砦の映画として存分に楽しめる。

谷垣健治氏がアクション監督を務めていることからアクションが凄いのはある程度は予想できたが、九龍城砦の狭く、また大半が夕刻から夜中のシーンが多く、この暗さもアクションの映えに繋がっている。

しかしながらこの映画が凄いのは

1980年代の裏香港をガッツリと描いたことにある。

なんと言っても、九龍城砦の様子が魅力たっぷり。床屋や飲食店だけでなく、診療所も町工場も風俗までなんでもある商業ビルは新橋駅前にある「ニュー新橋ビル」と地下鉄浅草駅構内にある地下商店街を足してスラムにした感じで、うらぶれながらもそこで人々がしっかりと生活をしているスラム街映画として楽しめる。変態仮面のような診療所の男やイカサマ麻雀など胡散臭さ満載で、そんな中でバトルが始まるから面白い。こうした中でディスコのシーンでかかる荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」の中国語版やちょとした台詞に日本のタレントを挙げたり、使ってるカラオケの機材が日本製だったり、日本要素がちょこちょこ顔を出す辺りも微笑ましい。

密入国した主人公と彼の出生にまつわるエピソードも後半のバトルにしっかりと活かされ、見応えたっぷりなアクションシーン以外も色々と楽しめ、80年代の香港アクション映画がかなりバージョンアップしたような映画に仕上がっている。

谷垣健治氏が手掛けるアクション映画が好きな方なら勿論、九龍城砦に興味がある方も必見！