DISCASレビュー

映画『トラブル・ガール』（2023年、ジン・ジアフア監督、オードリー・リン主演）は、ADHDを抱える小学5年生の少女シャオシャオを中心に、家族や学校での葛藤を描いた台湾のヒューマンドラマ。シャオシャオは学校で孤立し、いじめを受け、母ウェイファン（アイヴィー・チェン）からは厄介者扱いされ、父は不在がち。唯一の理解者である担任のポール（テレンス・ラウ）が母と不倫していることを知り、複雑な感情に揺れる。オードリー・リンの感情豊かな演技は12歳で金馬奨最優秀主演女優賞を獲得するほどの迫力。母の苛立ちや教師の葛藤もリアルに描かれ、家族の不協和音と向き合う姿が胸を打つ。だが、解決に至らない曖昧な結末や重い空気に息苦しさを感じる声も。