大人のラブストーリー「日の名残り」は、ちょっぴり物悲しい雰囲気の秋にオススメの作品です!!
【日の名残り】
1993年-134分-ドラマ
作品情報
製作年: |
1993年 |
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製作国: |
イギリス |
原題: |
THE REMAINS OF THE DAY |
受賞記録: |
1993年 LA批評家協会賞 男優賞 |
キャスト・スタッフ
監督: |
ジェームズ・アイヴォリー |
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製作: |
マイク・ニコルズ 、 イスマイル・マーチャント 、 ジョン・キャリー 、 イスマイス・マーチャント 、 ジョン・カリー |
製作総指揮: |
ポール・ブラッドリー 、 ポール・ブラッドリー |
出演: |
アンソニー・ホプキンス 、 エマ・トンプソン 、 ジェームズ・フォックス 、 クリストファー・リーブ 、 ピーター・ボーン 、 ヒュー・グラント 、 ミシェル・ロンズデール 、 レナ・ヘディ 、 ベン・チャップリン |
脚本: |
ルース・プラバー・ジャブバーラ、 ルース・プラワー・ジャブヴァーラ |
原作: |
カズオ・イシグロ |
撮影: |
トニー・ピアース・ロバーツ |
音楽: |
リチャード・ロビンズ 、 リチャード・ロビンズ |
解説・ストーリー
日系の英国作家K・イシグロのブッカー賞受賞作を基に「眺めのいい部屋」のJ・アイヴォリー監督が、侯爵に忠実な執事として徹底的にストイックに生きた一人の男の悲哀を描いた物語。恋を知らぬ彼は安っぽい恋愛小説に慰めを得、それを女中頭に見つかり頬を赤らめる。互いに愛情を感じながらもその感情を抑えこんでしまう彼に、彼女は待ちきれず、彼の友人と結婚し町を去る。戦後、侯爵がこの世を去り、ようやく自由を感じた彼は女中頭を訪ねるのだが……。(TSUTAYA DISCUSより引用)
かなり大人向けの恋愛ストーリー。
若い頃に観た時はヤキモキしただけで終わったけど、年齢を重ねた今、改めて見直すとまた違った味わいがある。
仕事に忠実で頑なな執事がこの映画の主人公のスティーブンスだ。
『執事とはその屋敷の秩序であり品格である』という誇りや職業美学の様なものが感じられる。
どんな時も鉄仮面の様に表情を変えず、立場をわきまえ、決して私情を挟む事はしない。
そういうストイックさが美徳とされてきた時代だったんだろう。厳格な父親の影響もあったのだと推測される。
ただ人生の大半を仕事だけに捧げてきたので、他とのプライベートな関わりや、特に恋愛についてはほとんど経験してきていないようだった。
突然目の前に現れたメイド頭のミス・ケントンに淡い恋心を抱くのだが、戸惑いや恥じらいが表情以外で伝わってくる。
この辺りのアンソニー・ホプキンスの言葉や表情を超えた表現力には脱帽した。
物語に戻って…自分の気持ちにどう向き合えばいいかわからず認められない彼は、本心を見ない様に蓋をする。
ケントンにも決して悟られないように、仕事モードで淡々と接している。
一方、スティーブンスに恋心を抱くケントンは好意を示すのだが、その想いは届かない。
ケントンが求婚された事を仄めかしても興味がないと言った対応をし、自室で嗚咽をあげて泣き崩れてる姿を見ても、理由も聞かず『棚にホコリがついているから女中に注意するように』とだけ言って出ていくスティーブンス。
さすがにここまで来ると、人としてどうなのかと怒りさえ湧いてきてしまうのだが、スティーブンスには、これが精一杯だったのかもしれない…。
窓から大空に飛び立っていく鳩を眺めながら、男は何を思うのか...。
『夕暮れ時が一番美しい』
そんな風に感じられる人生でありたいと思った。
アンソニー・ホプキンスの恋愛映画って珍しい気がする。
若い頃のクリストファー・リーブやヒュー・グラントも見れるのでオススメ。
見終わった後にせつない余韻の残る映画だった。
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投稿を表示アンソニー・ホプキンスはテレビドラマ「 QB7 」や「 リンドバーグ2世誘拐事件 」の頃から好きな俳優ですが、長年オスカーにまったく縁がなく不思議に思っていたら、ハンニバル・レクター。 (笑)
対極的な『 日の名残り 』と演技の幅がすごいです。
『 日の名残り 』は小説も映画もすばらしいですが、映画はマイベスト10内には入ります。
ジェームス・アイボリーはアメリカ人、公私にわたるパートナーであるイスマイル・マーチャントはインド人、脚本のルース・ブラワー・ジャブヴァ―ラはドイツ系ユダヤ人で夫はインド人、カズオ・イシグロは両親は日本人ですが5歳からイギリスで育った、いずれもイギリスやアメリカではマイノリティ。
「 何の本を読んでいるの ? 」と言われ、感傷的な恋愛小説だと知られて身をかたくするシーンがすばらしい。
自身でさえわからない、心の奥に秘めた思い・・・がジェームス・アイボリー作品の描くこと。
カミングアウトがゲイにとって大きなテーマですが、抑制的で感情をあらわにしない古きイギリスは日本人にも通じる普遍性があって、琴線にふれる作品です。
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投稿を表示切なくて好きな作品です✨ケントンがバスで去っていくシーン、泣いちゃいますね😢
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