DISCASレビュー

J.T.Hammer
2025/09/28 10:40

色街に生きる女二人の悲哀を匠が謳う

◤ ℍₐₘₘₑᵣ 𝔽ᵢₗₘ 𝕋ₕₑₐₜₑᵣ ◢


【2025-No.45】

𝐀 𝐆𝐞𝐢𝐬𝐡𝐚

祇園囃子

日本 85分 1953年

(Cover photo:© KADOKAWA 1953)


世界中の後進フィルムメーカーに多大な影響を与えた黄金トリオ「溝口健二(演出)依田義賢(脚本)宮川一夫(撮影)」が「雨月物語」と同年にプロデュースした秀作。欲にまみれた色街のしきたりや価値観に抗いながらも生活のためそれに従わざるをえない女二人の悲哀を情感豊かに謳い上げた人間ドラマはとても85分の尺とは思えぬ濃密な仕上がり。一本気な生娘に扮した若尾文子の初々しさと彼女を芸姑として育てる姐さん役木暮実千代の温かい眼差しが心に響く。娘の父親を演じた進藤英太郎の存在感がいぶし銀の如きなり


演出 ★★★

脚本 ★★★

撮影 ★★☆

音楽 ★☆☆

配役 ★★★

総合 ★★★★★★★★☆☆


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