DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2025/11/15 17:44

原潜vs.UFO/海底大作戦

原潜vs.UFO/海底大作戦

 1959年 アメリカ 劇場未公開

スタッフ 監督:スペンサー・G.ベネット 製作:アレックス・ゴードン 原案・特撮:アーヴィン

     グ・ブロック、ジャック・ラビン 脚本:オーヴィル・H・ハンプトン  撮影:ギルバー

     ト・ウォーレントン  美術:ダニエル・ホラー  音楽:アレクサンダー・ラズロ 

キャスト アーサー・フランツ、ディック・フォラン、ブレット・ハルゼイ、トム・コンウェイ、

     ポール・デュボフ、ボブ・スティール、ヴィクター・ヴァルコニ、ジョイ・ランシング

舞台は北極海、軍用ばかりか民間の輸送船にも潜水艦が使われ始めた近未来のストーリー。ある時民間の輸送船や軍の潜水艦の沈没事故が相次ぐ。しかもそのどれもが原因不明であり、北極海航路の閉鎖の懸念が高まる。これらの艦船を沈めたものは何なのか。軍は事態の調査のため最新鋭の原潜「タイガーシャーク号」の出動を決定。艦長のウェンドーバー以下軍のエキスパートとニールセン博士やケント博士をはじめとする科学者達も乗船しタイガーシャークは北極海に向かった。やがて事故現場付近でタイガーシャークは直径90メートル以上の大きさの未確認物体を発見。これが一連の沈没の原因だったのか?タイガーシャークは攻撃を加えるが物体は高速で逃走し姿を消す。ニールセン博士達の分析で物体の正体は宇宙から来たものであり、その動力源は磁力と推定された。とすると、物体は必ず磁力の補給に北極点に戻るはず。タイガーシャークは物体の進路を予想し待ち伏せをかけるが。

本作は「遊星よりの物体X」をルーツとする宇宙人との対決ネタのひとつで、タイトルやパッケージはいかにもマニアが手を出しそうですが、「菊地秀行」著の、「とっておきの怪獣映画30発」というインタビュー記事の中に「原子力潜水艦」という原題(The Atomic Submarine)に忠実なタイトルで紹介され、そこに写真が載っています。「面白そう、タイトルからして海洋ロマン漂う冒険物っぽいし」

と思っていたのだけど、実際はかなりイメージと違っていた。。海洋ロマンどころかストーリーのほとんどが潜水艦の中のシーンだけで進む、むしろ密室劇みたいな雰囲気の漂う狭苦しいお話だった。

更に潜水艦のミニチュア特撮が異様にしょぼいこと、宇宙人の正体とその目的についても意外性は全くなし。とはいえ、宇宙人と地球側の超兵器同士の応酬というシチュエーションは当時としては新鮮且つ冷戦期ゆえのリアリティを感じさせる題材だったのは間違いないと思います。それでも当時の本作が与えた影響は大きく、後にTVシリーズで大人気作になった「原潜シービュー号」にも影響を与えたそうですし、宇宙人のテクノロジーに拮抗する地球防衛メカはウルトラ警備隊やSHADOなどのより組織性を持たせた設定にもつながります

コメントする