DISCASレビュー

京介 バッジ画像
2025/07/28 18:52

ガス人間第一号

ガス人間第一号

 1960年 東宝 劇場公開:1960年12月11日

スタッフ 監督:本多猪四郎 製作:田中友幸 脚本:木村武 撮影:小泉一 特技監督:円谷英二

キャスト 三橋達也、八千草薫、佐多契子、土屋嘉男、左卜全、田島義文、小杉義男、伊藤久哉、
     佐々木孝丸、山田巳之助、松村達雄、宮田羊容、村上冬樹、野村浩三、塩沢とき ほか

吉祥寺の富田銀行を襲った銀行ギャングは、岡本警部補らの必死の追跡にもかかわらず、五日市街道のはずれの一軒家、日本舞踊の家元春日家あたりで姿をくらました。ギャングは、再び東海銀行を襲った。行員の死因は血管に何やら得体の知れぬ気体の詰った窒息死だった。岡本は、春日藤千代の貧窮からの立直りをあやしく思った。派手なキャデラックを乗り廻し始め、絶縁関係の芸人達にも金をバラまいているという。岡本の許婚者で東京新報の女記者京子は、藤千代の身辺をさぐり始めた。岡本らは、強奪された銀行の紙幣のナンバーと藤千代のバラまく札のナンバーが一致するのを発見、共犯容疑で逮捕した。ところが、京子の許に犯人から新宿の三協銀行を襲うという予告の電話があった。三協銀行とは反対の大森銀行を襲ったが、犯人はあっさり捕まった。この男前科五犯の西山の自供はあやしいものだった。そこへ新報の川崎が連れてきた橋本という図書館に勤める青年が、自ら犯人と名のり犯行の様子を見せようという。

『ガス人間第一号』で最も目を引くのは、気化して姿を消すという能力です。円谷英二による特撮技術で、身体が霧状になり鉄格子を通り抜けるシーンなど、斬新な映像表現が展開されます。

水野を演じた土屋嘉男は、ガス人間の冷酷さと人間らしさを見事に表現しています。特に、ガス化の万能感に酔いしれながらも、愛する人のために命を懸ける姿が印象的です。そして、日本舞踊家元の春日藤千代を演じた八千草薫の美しさは圧巻です。特に、最終舞台での演舞は彼女の覚悟と美学が詰まった名シーンです。その演技が物語の悲劇性を一層際立たせています。。

『ガス人間第一号』は、特撮映画史において唯一無二の作品です。その独創的なストーリーと特撮技術、深いテーマ性は、今なお語り継がれて時代を超えたその価値は、特撮ファンだけでなく多くの映画ファンに愛されています。

コメントする