美しい日本語とキャスティングの妙【SHOGUN】
今年のエミー賞総なめの《SHOGUN》(全10話)をDISNEY+で見ました。
ジェームズ・クラヴェルの原作小説『将軍』のドラマ化です。1980年にリチャード・チェンバレン、三船敏郎、島田陽子、ジョン・リス=デイヴィスが出演したドラマのリメイクです。
“テレビ界のアカデミー賞”といわれるエミー賞で今年史上最多の18冠を獲得して話題になったドラマです。話題になるまでは、全く興味がなかった私ですが、なにせ世界一面白いドラマだと思っている《ゲーム・オブ・スローンズ》が12冠だったというのですから、それを超えての栄光を手にしたドラマならば、これは見ないわけにはいかないではないですか!
正直なところ、最初の3話ぐらいまでは、登場人物の多さと複雑な人間関係、そして史実とは違う人物名(たとえば徳川家康は吉井虎永、本田正信は樫木藪重といった具合)に戸惑い、ん?これが面白のか?と少々訝し気に見ていました。
ところが4話目ぐらいから、俄然話が急展開、めちゃくちゃ引き込まれていったのです。結果、とても面白かったです。
ざっくりあらすじ:1600年の日本を舞台に、ウィリアム・アダムス(三浦按針)をモデルとしたイングランド人航海士のジョン・ブラックソーンを主人公として、関東の大名である吉井虎長(モデルは徳永家康)が天下を取るまでの波瀾の日々を、按針の目線で描いていく。通詞として按針の帯同を命じられた戸田鞠子(モデルは細川ガラシャ)と按針は、次第に互いを意識し始め、鞠子の夫である戸田文太郎広勝(モデルは細川忠興)の嫉妬心に火をつけることになる。一方、太閤殿下(モデルは豊臣秀吉)無き後、唯一の世継ぎである中村八重千代(モデルは豊臣秀頼)に天下を引き継がせるべく画策する石堂和成(モデルは石田三成)はどっちつかずの樫木藪重(モデルは本田正信)を使って、虎長を亡き者にしようと企てる。 |
制作総指揮 |
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プロデューサー |
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海外で制作された映画やドラマで描かれる日本や日本語は違和感があるものが多い中、本作は70%は日本語で演じられているものの、真田広之さんがプロデューサーに加わることで、当時の日本の世界観や日本語、立ち振る舞いや殺陣など、徹底的に指導したとのことです。そのためか、全く違和感のない日本を舞台にしたドラマに仕上がっています。
そして使われてる当時の日本語のなんとキレイなことか!「●●いたします」ではなく「●●いたしまする」といった具合に、美しい日本語が展開されていて、観ていて気持ちが良かったです。
キャスティングも、海外制作のドラマながら、日本で活躍する俳優陣を多く呼び込み(これも真田広之さんの力でしょう)、きちんとした日本語が話されるので、観ていて安心できます。
《主なキャストは以下の通り》
役名 |
史実で相当する人物 |
演者 |
吉井虎永 | 徳川家康 | 真田広之 |
ジョン・ブラックソーン/按針 | ウィリアム・アダムス/三浦按針 | コスモ・ジャーヴィス |
戸田鞠子 | 細川ガラシャ | アンナ・サワイ |
樫木藪重 | 本多正信 | 浅野忠信 |
樫木央海 | 本多正純 | 金井浩人 |
石堂和成 | 石田三成 | 平岳大 |
宇佐見藤 | --- | 穂志もえか |
戸田文太郎広勝 | 細川忠興 | 阿部進之介 |
戸田広松 | 細川藤孝 | 西岡徳馬 |
村次/殿本顕直 | --- | 竹嶋康成 |
吉井長門 | 松平忠吉 | 倉悠貴 |
落葉の方 | 淀殿(茶々) | 二階堂ふみ |
桐の方 | 阿茶局 | 洞口依子 |
ロドリゲス司祭 | --- | ネスター・カーボネル |
マルティン・アルヴィト司祭 | ジョアン・ロドリゲス | トミー・バストウ |
中村八重千代 | 豊臣秀頼 | セン・マーズ |
中村秀俊(太閤) | 豊臣秀吉 | 螢雪次朗 |
明智仁斎 | 明智光秀 | タカ・タケウチ |
大野晴信 | 大谷吉継 | 黒川武 |
お菊 | --- | 向里祐香 |
吟 | --- | 宮本裕子 |
大蓉院 | 高台院(寧々) | AKO |
木山右近定長 | 小西行長 | 井田裕基 |
杉山如水 | 前田利家 | 戸田年治 |
伊藤輝鈍 | 宇喜多秀家 | 篠井英介 |
黒田信久 | 織田信長 | 尾崎英二郎 |
実は、浅野忠信さんが演じた樫木藪重役を演じるのは木村拓哉さんの予定だったそうです。ところがコロナの影響により、撮影日程が延期されたことで、彼のスケジュール調整が出来なくなり、キャスト変更となったそうです。樫木藪重は本作ではとても重要な役ですので、キムタクが演じる藪重も観て観たかった気もしますが、かなりの荒くれ男ですので、結果的には浅野忠信さんで良かったのかな?とも思います(笑)
そして、特筆すべきはエミー賞主演女優賞を受賞した、戸田鞠子役のアンナ・サワイさんではないでしょうか。通詞として按針とともに行動しながらも、虎長の忠実な家臣として揺れ動く女心を抑えながら終始毅然した態度が美しい女性を見事に演じていました。
彼女は8月に発表されたTC・キャンドラー発表の2024年版「世界で最も美しい顔100人」のひとりに選出され、10月2日にはアメリカ『タイム』誌の「次世代の100人」にも選出されています。正直、そこまで美人という訳ではないと思うのですが(すみません(;^_^A)、演じている彼女を見ていると、魅力的な女性であることは認めざるを得ません。
そんなアンナ・サワイさんが、VOGUEの人気シリーズBeauty Secretsに登場した動画がこれ↓すっかり時の人ですね。
1話が約60分で全10話ですが、割とサクサクと見ることが出来ます。まだ御覧になっていない方は、ぜひ《SHOGUN》の世界を堪能してみてはいかがでしょうか。
因みに、1980年のドラマ版《SHOGUN》はこちらからレンタル出来ます。(全7話/DVD4枚)
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投稿を表示将軍、先日完走しました!樫木藪重役を演じるのは木村拓哉だったんですね。結果的には浅野忠信が演じてたことでキャラクターが際立った感じがしました。映画「首」では黒田官兵衛役でしたので、その役を投影してしまいました。
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