美しくも物悲しい復讐『FEMME』
こんにちは☺︎映画・カフェ巡り好きの看護師おしずです!
看護師ならではの視点で、映画を語ります♪
けれども堅苦しくなく、
にっこりほっこりできるような投稿をしていきたいと思います。
難しいことなどな〜んにも考えずにまったりと読んでいただけたら𓂃 𓈒𓏸𑁍
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先日オンライン試写にて『FEMME フェム』を鑑賞させていただきました。人はここまで逞しいのか、と感嘆する素晴らしい映画でしたのでこちらに感想を綴らせていただきます☺︎!
まずはあらすじから↓
ナイトクラブのステージで観客を魅了するドラァグクイーン、ジュールズ。ある夜、ステージ
を終えた彼は、タトゥーだらけの男プレストンと出会う。だが、その出会いは突然、憎悪に
満ちた暴力へと変わり、ジュールズの心と体には深い傷が刻まれる。舞台を降り、孤独な
日々を送りながら、彼は痛みと向き合い続けていた。
数ヶ月後、偶然立ち寄ったゲイサウナでジュールズはプレストンと再会する。ドラァグ姿で
はない彼を、プレストンは気づかぬまま誘う。かつて憎悪に駆られジュールズを襲った男
が、実は自身のセクシュアリティを隠していたことを知ったジュールズ。彼はその矛盾を暴
き、復讐を果たすため、密会の様子を記録しようと計画する。
ところが、密会を重ねるたび、プレストンの暴力的な仮面の奥にある脆さと葛藤が浮かび
上がる。プレストンの本質に触れるたび、ジュールズの心にもまた説明のつかない感情が
芽生え始める。待ち受けるのは復讐か、それとも──。
絶妙な心の揺れに惹き込まれていってしまう。
最初の堂々としたジュールズがジュールズだと思ってた。ステージで輝いていて、ファンからも好かれて。自信に溢れていて煌めいているジュールズ。ステージが彼の世界を象徴するものであり、この地位は誰にも譲れないものだと思っていた。それが一瞬で崩壊。
メイクをオフしたジュールズは、自信がなさそうなおどおどしていて小さく見える。
プレンストンには連絡しても返ってこない。自分からは誘えない。けれども会いたいし、気を引きたいから何度も何度も勇気を振り絞る。支配されたい欲求。彼の色に染まりたい欲求。彼と深まりたい欲求。悪い男だとわかってる。それでもいい。ダメだとわかっていてもなぜか惹かれていく。勇気を出して一歩先に踏み出してみる。
復讐心が薄らいでいく。
復讐なのかそれとも好意なのか快楽なのか。何を求めているのか境界線がいびつになる。
けど、どこかに傷ついた時の黒い気持ちが残ってて復讐をチラつかせる。
いびつな2人の関係性は、クラブら辺から服従関係が変わる。まるで人が違うみたい。人間の隠れている本性とは何よりも恐ろしいものだ。余談だが、私のばあちゃんは「幽霊より生きている人間の方が怖い」って言ってた笑。その言葉が頭をよぎる。プレンストンに対する情と自分の中にある忘れられない妬みが彼のバランスを崩壊しそうになり、そして観ている側をぐいぐいと惹きつけてくる。
そして裏切り。いや、プレンストン寄りだと裏切りだが、ジュールズ寄りだと自分の素直な気持ちに従っただけ。心が奪われたらその時点で負け。苦しくて切なくて後味が悪い。ジュールズもプレンストンもこれからどう生きていくのか。
少なくともプレンストンは、身バレしている以上もうあのお店では働けないだろう。ここから先は観ている側に委ねられる。だから映画って面白い。人と語り合いたくなる映画だった。
『FEMME フェム』 ※半角スペース
3月28日(金) 新宿シネマカリテ ほか ロードショー
▼コピーライト
© British Broadcasting Corporation and Agile Femme Limited 2022
▼公式サイト
https://klockworx.com/movies/femme/
監督・脚本:サム・H・フリーマン、ン・チュンピン
製作:ヘイリー・ウィリアムズ&ディミトリス・ビルビリス
撮影:ジェームズ・ローズ
編集:セリーナ・マッカーサー
プロダクションデザイン:クリストファー・メルグラム
衣装:ブキ・エビエスワ
音楽:アダム・ヤノタ・ブゾウスキ
出演:ネイサン・スチュワート=ジャレット、ジョージ・マッケイ、アーロン・ヘファーナン、
ジョン・マクリー、アシャ・リード
2023年|イギリス|英語|98分|カラー|シネマスコープ|5.1ch|原題:FEMME
字幕翻訳:平井かおり|レイティング:R18+|配給:クロックワークス

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