多様性の時代のピンク&グリーンのミュージカル映画!『ウィキッド ふたりの魔女』
■ウィキッド ふたりの魔女

《作品データ》
名作小説「オズの魔法使い」で語られた2人の魔女の過去とは? 圧巻の世界観と音楽で魅せるエンターテインメント超大作! 緑の肌を持ち孤独に育ったエルファバは、大学で誰からも愛されるグリンダと出会う。ルームメイトとなった二人は正反対の性格ながらお互いを知るうち唯一無二の友情を育むが、運命はそれを許さなかった。ブロードウェイで20年以上のロングランを誇るミュージカル「ウィキッド」を映画化した2部作の前編。
・TOHOシネマズ日比谷他ロードショー中!
・配給:東宝東和
・公式HP: https://wicked-movie.jp/
《『ウィキッド ふたりの魔女』レビュー》
2000年代に劇団四季がやってたことで薄っすらながらたまたま知っていたという知識しかなかったけど、見る直前に『イン・ザ・ハイツ』のジョン・M・チュウ監督が手掛けたことを知って、にわかに期待が高まったミュージカル映画『ウィキッド ふたりの魔女』。いざ見てみると、歌・ダンスが凄まじくキレッキレなミュージカル映画で、且つ、ルッキズムや差別、分断、スクールカースト、才能、群衆心理など様々なテーマがこめられた作品で、それを力量があるキャストや数々の演出により『シカゴ』や『ラ・ラ・ランド』といった
歴代のアカデミー賞を賑わせたミュージカル映画と比べても勝るとも劣らないスーパーミュージカル映画である!

本作は元々2幕に分かれているミュージカル作品の第1幕に当たるパートで、主人公エルファバ・スロップがシズ大学に入学してから「西の魔女」になるまでを描いたもの。生まれながら緑の肌のエルファバは周囲だけでなく、親からも疎まれながら育ちながらも不思議な能力があり、そうした彼女が「エメラルドシティ」を作った魔法使いオズとも関わりがあるシズ大学に入学した、という話。前半はエルファバ視点を中心に、彼女のルームメイトになるグリンダ(ガリンダ)や学園内の騒動で、後半は魔法学部長のモリブルの推薦によって「エメラルドシティ」に行くエピソードで展開される。

見るからに奇妙な緑の肌を持つエルファバの運命は常に差別が付きまとう。大半の人は奇異の目で見て、また彼女の身の回りで不思議なことが起こるから忌み嫌うが、中にはモリブルなどみたいに才能を見出す者もいたり、動物みたいに優しく接したりする者もいる。これだけだったら「みにくいアヒルの子」というだけだが、そこにルームメイトになるグリンダの視点も加わる。グリンダは陽気で美しくシズ大学で人気者というスクールカースト上位の女だが、自意識過剰でナルシズム、自分本位な言動が面白く、ある種、コメディにもなっている。こうした嫌われ者と人気者の相反する者を中心とした話なので、非常に分かりやすい。

そこにエルファバが持つ不思議な才能によってエルファバはモリブルや他の教授からも特別扱いされ、それをグリンダがジェラシーを持つ。グリンダのエルファバに対する感情はちょっと複雑で、根幹は受け入れているがグリンダの性格からエルファバと衝突したり、人前では上げたり落としたり、その都度変わる。

そして本作はなんと言ってもミュージカルシーンが素晴らしい。ミュージカル版そのままの楽曲ではあるが、ジョン・M・チュウ監督による演出が素晴らしい。ちょっとした動きをもブンブンとさせ、特に集団でのダンスシーンはかなり映える。この辺りは『イン・ザ・ハイツ』と同様で、手すりで踊るシーンは『イン・ザ・ハイツ』でも見られた演出でジョン・M・チュウ監督らしい。
また、エルファバを演じたシンシア・エリヴォとグリンダを演じたアリアナ・グランデの歌が突出して素晴らしい。アリアナ・グランデは元々歌手だから実力そのままが発揮されたが、シンシア・エリヴォもそれに負けず劣らずの素晴らしさで、歌だけでも惹きつけられる。さらには歌やダンスには絡まないがモリブルを演じたミッシェル・ヨーが存在感十分で、『ハリー・ポッター』シリーズで言えばダンブルドアみたいなポジションで活躍。

全体的に『ハリー・ポッター』のような魔法学校の世界観の中でミュージカルをやっていて、まずはその世界観を気に入るかどうかはあるが、元々のミュージカルの良さとジョン・M・チュウ監督による演出の凄さ、シンシア・エリヴォやアリアナ・グランデ、ミッシェル・ヨーといった演者らの良さも相まって
『シカゴ』や『ラ・ラ・ランド』にも勝るとも劣らないスーパーミュージカル映画に仕上がっている。ミュージカル映画が好きなら絶対必見!

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投稿を表示一昨日わたしもみてきました🎶まさにちょっとした動きをブンブン😂本当にそうですね、歌も素晴らしかったです アリアナはミュージカルの歌い方を見事に習得していましたね